今回は、行衣についてお話していきたいと思います。

四国では「お遍路」といって、よく無地の行衣を着て、お寺のお参りされている方がいらっしゃいます。

フォローさせていただいている方の中でも、そういうブログを書かれていて毎日楽しく読ませていただいております。



しかし


しかしですよ。


日蓮宗の「行衣」は少し違います。


今日はその意味と役割について少しお話していきたいと思います。


 

目次
・日蓮宗の行衣は経帷子(きょうかたびら)ー本来の役割
・大曼荼羅(だいまんだら)を一つ一つみていこう
・・釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)
・・多宝如来(たほうにょらい)
・・上行・無辺行・浄行・安立行菩薩
・・普賢菩薩(ふげんぼさつ)
・・文殊師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)
・・迦葉尊者(かしょうそんじゃ)
・・舎利弗尊者(しゃりほつそんじゃ)
・・大日月明星天王(だいにちがつみょうじょうてんのう)
・・大梵帝釈天王(だいぼんたいしゃくてんのう)
・・鬼子母神(きしぼじん)
・・十羅刹女(じゅうらせつにょ)
・・天照太神(てんしょうだいじん)
・・八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)
・・天台大師(てんだいだいし)
・・伝教大師(でんぎょうだいし)
・・大持國天王(だいじこくてんのう)
  大毘沙門天王(だいびしゃもんてんのう)
  大廣目天王(だいこうもくてんのう)
  大増長天王(だいぞうちょうてんのう)

・法徳寺でも書いてますよー

 

 

日蓮宗の行衣は経帷子(きょうかたびら)ー本来の役割

 

 

 

日蓮宗の行衣は経帷子といいます。

いわゆる死装束。


死装束って、亡くなった故人が旅たちをするための衣装のことをいいます。

日蓮宗では昔から、背中のところにお坊さんに大曼荼羅(だいまんだら)を書写してもらったものでお寺参りや寒修行を行います。

そして亡くなった後、その経帷子を着て、昔から埋葬されていました。


 

日蓮宗の「行衣」とは・・・経帷子(きょうかたびら)といい死装束として用いるもの

 

 

 

大曼荼羅(だいまんだら)を一つ一つみていこう

 

背中のところに書写してもらう大曼荼羅を一つ一つ見ていきたいと思います。

 

 

 

 

釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)

 


  • 釈迦(しゃか)・・・種族の名前

  • 牟尼(むに) ・・・聖者の意味

  • 仏(ぶつ)  ・・・仏陀の略で真理を覚った者、覚者の意味

 
 

釈迦牟尼仏とは、釈迦族出身の聖者のことをいいます。

 

 

 

多宝如来(たほうにょらい)


法華経が真実だということを証明した仏さま。
 

法華経の11番目の『見宝塔品』で、七つ宝をもって飾られた大宝塔に乗って大地より涌出されました。

 

 

 

上行・無辺行・浄行・安立行菩薩


法華経の15番目の『従地涌出品』で、仏さまに召換された菩薩。大地から涌き出た本化の菩薩の代表者で四大菩薩といわれています。


特に上行菩薩はその四大菩薩のリーダーです。

 

 

 

 

 

普賢菩薩(ふげんぼさつ)


文殊師利菩薩と一緒にお釈迦さまの横に控えている菩薩。


6つの牙を持った白象に乗ってお釈迦さまの右方にいる。

 

 

 

文殊師利菩薩(もんじゅしりぼさつ)

 

お経には仏さまがお亡くなりになった後に実在の人物としても出て来ます。
 

しかし普賢菩薩と対称してお釈迦さまの左脇におり、智慧をつかさどるとされている。

 

普通、智慧の威力をあらわす獅子(しし)に乗る形で現されます。

 

 

 

迦葉尊者(かしょうそんじゃ)


お釈迦さまの十大弟子の1人で、頭陀第一、行法第一といわれていました。


お釈迦さまが悟りを開かれた3年目頃に弟子となり、常に頭陀行(★別記事にまた書きます)を行じる。


お釈迦さまがお亡くなりになった後、集会を開き、リーダーとして教団を統率しました。

 

 

 

舎利弗尊者(しゃりほつそんじゃ)


お釈迦さまの十大弟子の一人で、智慧第一といわれています。


もとはサンジャヤという人の弟子でしたが、後にお釈迦さまの弟子となりました。
 

教団の中堅的地位にありましたが、お釈迦さまより早く亡くなりました。

 

 

大日月明星天王(だいにちがつみょうじょうてんのう)

 

日天子・月天子・明星天子で三光天子のことです。

 

  • 日天子(にってんじ)
    三光天子の一つで日宮天子・宝光天子ともいわれ、「日天」と略称されています。
    観世音菩薩・大日如来の化身ともいわれています。



  •  
  • 月天子(がってんじ)
    月天・名月天子・宝吉祥天子・月宮天子ともいわれています。
    月を神格化して信仰の対象としたものです。
    『法華経』の序品では名月天子として法華の会座に列し、日蓮聖人の大曼荼羅にも勧請されています。
    日蓮聖人の月天子観は法華経の行者を守護するといわれています。



  •  
  • 明星天子(みょうじょうてんじ)
    明星天子とは星を神格化したものをいいます。



  •  


日天子・月天子・明星天子の三光天子は私たちを護ってくれるといわれています。

 

 

 

大梵帝釈天王(だいぼんたいしゃくてんのう)

 

法華経守護の筆頭に勧請している梵天王・帝釈天王のこと

 

  • 梵天王(ぼんでんのう)
    私たちの住んでいる娑婆世界を治めるものとして、帝釈天王と並んで護法の善神の最高に位置づけています。



  •  
  • 帝釈天王(たいしゃくてんのう)
    帝釈天王は忉利天(とうりてん)に住む神々のリーダーです。
    正法を護持し、仏さまの教えを聞いて、柔和で慈悲、真実を語り、正法に従う正しい神であるといわれています。
    しかしお釈迦さまの教えを聞くまでは、阿修羅と戦っていた荒々しい神でした。
    帝釈天は四天王を統率し、人間界をも監視します。
    なので昔から六斎日といって行いをつつしむ日があるのです。

 

 

 

 

 

 

鬼子母神(きしぼじん)


10,000もの鬼の子どもの母であるところから、鬼子母と呼ばれています。
 

子宝成就良縁成就安産成就夫婦和合などの祈願の信仰の神さまとされています。
 

 

 

十羅刹女(じゅうらせつにょ)

 

法華経の中で護法の善神となった10人の羅刹女のことをいいます。
 

法華経の26番目のお経『陀羅尼品(だらにほん)』に、

 

  1. 藍婆(らんば)

  2. 毘藍婆(びらんば)

  3. 曲歯(こくし)

  4. 華歯(けし)

  5. 黒歯(こくし)

  6. 多髪(たほつ)

  7. 無厭足(むえんぞく)

  8. 持瓔珞(じようらく)

  9. 皐諦(こうたい)

  10. 奪一切衆生精気(だついっさいゅじょうしょうけ)

  11.  

上記、10人の羅刹女が仏さまの前で、鬼子母神と共に陀羅尼神呪を唱えて

 

私たちは法華経を信仰する者を護ります」と、

 

約束しています。

 

 

 

天照太神(てんしょうだいじん)


正式には「あまてらすおおみかみ」とよばれています。
 

 

伊弉諾尊の女性で、太陽を神格化した女神。
 

『古事記』『日本書紀』では高天原の主神で、皇室の祖神とされています。
 

大和朝廷により伊勢皇大神宮に祭られている。
 

 

 

八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)


八幡宮にお祭りされる神さま。
 

八幡神・八幡大明神ともいう。
 

八幡宮の本地を「菩薩」とした呼び方は、神さまと仏さまが入り混じった結果に起ったものです。

 

 

 

天台大師(てんだいだいし)

 

本名は智顗(ちぎ)(538-597)。
 

中国天台宗の開創者でありますが、後世、師系を述べて〈北斉慧文-南岳慧思-天台智顗〉といい、天台宗第三祖とする。
 

7歳のときに近くのお寺に行き、お坊さんから法華経の『普門品』の口授を受け、1回で覚えたという。
 

 

日蓮聖人は天台大師を先生とし、法華信仰を立てられました。

 

 

 

伝教大師(でんぎょうだいし)


比叡山の日本天台宗開祖といわれています。
 

伝教大師は貞観8年(866)、安慧の発請により清和天皇より賜わった諡号。
 

 

近江国(現在の滋賀県)大津市の人。
 

日蓮聖人は伝教大師を法華経の行者とされた。
 

 

 

大持國天王(だいじこくてんのう)
大毘沙門天王(だいびしゃもんてんのう)
大廣目天王(だいこうもくてんのう)
大増長天王(だいぞうちょうてんのう)

 

須弥山(しゅみせん)にいて、各々の方角の天を護る四王のこと。

 


持国天王・・・東方
毘沙門天王・・・北方
広目天王・・・西方
増長天王・・・南方

 


日蓮宗の地鎮祭家祈祷などでも、四天王を勧請しています。

 

 

 

 

 

法徳寺でも書いてますよー

 

日蓮宗では昔から、これらの大曼荼羅を背中のところ書写してもらい、お寺参りや寒修行を行います。

で、葬儀のときに亡き故人に着せてあげる風習があります。


法徳寺でも年に何件かくらいしかないですが、書くこともあります。

もし気になる方がいらっしゃいましたら、下記よりお問合せいただければと思います。
 

お問合せはこちらをクリック




以上、

 「日蓮宗の行衣の本来の役割とは?|背中に書いてあるお曼荼羅について解説するよ!
でした。







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