アクアリウムにおけるバクテリア液(剤)について、現在は硝化細菌のイメージだけが強く、バチルス菌などの有機物分解バクテリアの効果については焦点があてられる機会があまり多くありません。
故に「亜硝酸や硝酸塩を分解しないのだから入れても仕方がない」と言ったレビューを書き込むユーザーも少なくありません。しかし、本当に入れても仕方がないのでしょうか?それははっきり言って大きな誤りです。
バクテリア本舗から販売しているPSBが強化された7種類の複合バクテリア液の水質浄化における大きな役割は3つです。
①デトリタス(フンや残餌等のたんぱく質や脂質、難分解性多糖類といった有機物)の分解
→スクロースやグルコースといった他のバクテリアが餌としやすい糖類へ変化させ、水槽内の炭素循環につなげていく
②病原性細菌の抑制
→「栄養源の競合」と「殺菌作用」によって病原菌を抑制
→バチルス菌にはリゾチームという溶菌効果のある物質を生成する能力があり、それによって病原菌を排除
③有機炭素への変換
→①からつながるもので、バクテリア本舗の有益バクテリアが他の細菌類が利用しやすい形の多糖類に分解していく過程で脱窒菌やポリリン酸蓄積細菌(下水処理や水質改善のために利用される微生物群で、細胞内にポリリン酸という形でリンを蓄積する能力を持っています。この特性を活かして、生物学的リン除去プロセスにおいて重要な役割を果たしている)のエネルギー源として利用されるようになる。
このようにバクテリア本舗のPSBが強化された複合バクテリア液は、微生物生態系のサイクルを上手く回し、脱窒菌やポリリン酸蓄積細菌といった栄養塩を還元させたり循環させるバクテリアたちを有効に機能させる大きな役割を担っています。
よって水槽や池、舟といったいわゆる閉鎖水槽では、非常に有効かつ必要不可欠な有益バクテリア群を含む水質浄化バクテリア液という事になります。