なんか最近はどうした、って感じですけどね。
年末年始に寝まくったので脳が変に元気になったんだろうか・・・
年越しのもう日付が変わる前、って頃、
いろんな人がツイートしたりブログ更新したりして
続々とそんなのがネットに上がってるのを見てた時、ふと
「この飛び交う電子が見えるといろんな家の上にキラキラした光が見えて
それが時々ひゅっと飛んだりして」
「その一軒一軒の家の灯りの下にそれぞれの人が居てそれぞれの想いがあるんだなあ」
なんて思ったのがきっかけです。
その時間に自分でつぶやいたのが
いろんな人のつぶやきが聞こえてきて、
オールのイベントのところもあるし
灯りの数だけそれぞれの人の年越しがあるんだなと実感するなあ
三好達治の「雪」という詩の
「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪降り積む
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪降り積む」
っていうイメージ。
広い世界の一人一人の上に電子のことのはがキラキラしながら散っている
そんな風景が頭に浮かぶ…
って、今見返すともう何だかうぎゃーと言いたくなるけど
そんなイメージ引きずりつつ、マリにとでほんのり百合成分で書いたのが
こんな感じです。
ss
幻想郷の年越し
真っ暗な森の彼方に街の灯りがゆらめく。空には一面の星。
かじかむ手にはーっと息をかけたにとりは後ろから近づく足音に振り返った。
やあ、悪い悪い、遅くなったかな。
もう、まりさってば遅いよ。年が明けちゃうじゃないか。
ごめんごめん、でもこんな場所よく知ってたな。
小高い丘の頂きは見晴らしも良く、さながら自然の展望台のようだった。
幻想郷の森や住人の住まいがぽつりぽつりと見え、
反対側の灯り一つ無い闇が続く向こうには
見たこともないきらびやかな街の灯りが遠くに輝いていた。
うん、年越しの夜には古い年と新しい年が入れ替わる時に時空に歪みができるからね、
博例の巫女も知らない結界のすきまから向こうの世界がちらっと見えるんだ。
ふーん、難しい事はよくわからんが要するに今夜だけ人里がこっちから見えるって事だな。
まあ、そうだけどさ、河童のテクノロジーで時空の歪みを検出してこれは、と思ってさ
その方向と結界のすきまの直線上に位置する、視野の確保できる地点を算出したのが・・・
まあいいからさ、暖かいものでも飲もうぜ。
まりさは鞄から小さなやかんと水筒を取り出し石でかまどを作って
ミニ八卦炉をその下に置いた。
炎の出力を絞って、と、どうだ、まりささんのテクノロジーも中々だろ
にとりは差し出されたお茶を一口すすってほーっとため息をつく。
これできゅうりでもあれば最高なんだがねえ
お茶受けにきゅうりかよ。河童はしょうがないなあ。
二人は並んで座り、暖かなカップを手で包み、
満天の星空を見上げてしばし黙ったまま白い息を吐いていた。
きれいだな、一つ一つの星がキラキラまたたいてる。
うん、でも人里の灯りもなかなかのもんだよ。
にとりの指差す先を見たまりさは息を呑んだ。
そこにはキラキラ輝く光の粒が家の灯りの上にきらめき
まるで生き物のように細い筋がひゅっと飛んだり飛んできたりしていたのだった。
な、なんだ、あれは・・・
ちょうど結界の歪みで見えるんだ。
あれは人間達の使う道具で電子の通信っていってね、
言葉を載せて互いにやり取りをしたり
自分の思った言葉を誰にという事もなく世界に見えるように投げ出したりしてるんだ。
ふーん、よくわからんがあの光の一つ一つが言葉になって世界を飛び交っているのか・・・
そうだね、あの家の灯りの一つ一つの下に人が居て、
その想いや言葉の一つ一つが光になって輝いているんだよ。
ふと、我に返ったようににとりは話すのを止め、顔を赤らめてうつむいた。
今日はちょっとつまんない事をしゃべり過ぎたかもしれない・・・
そんなことないぜ。ほら、あの光の言葉たちもあんなに活発におしゃべりしているじゃないか。
今日は年越しだし、みんな思う事がふつふつ沸き上がってるんだろ。
まりさは笑ってにとりの顔を覗き込みながら肩を叩いた。
その視界の端に急にまばゆい光が見えてまりさは思わず顔を上げた。
お、おい、見ろよ
突然、光の粒が竜巻のように激しく螺旋を描いて大きな渦となり
街全体を包むように光り輝き、高く天に昇るとすーっと辺りが暗くなり
やがて街の灯りそのものが闇に溶けるように消えていった。
ああ、年が明けたんだねえ。あれはみんなの新年を迎えた心の高ぶりが最後に輝いたんだよ。
にとりは満足そうにうなずいて、まりさを見上げた。
明けましておめでとう、まりさ。
ああ、明けましておめでとう、にとり。
薄暗い闇の中だが、まりさにはにとりがどんな表情をしているかわかるような気がした。
さあ、年も明けたし霊夢の所に初もうでに行こうぜ。ついでにお雑煮くらいごちそうになれたりしてな。
そ、それもいいけど、ちょっとうちの工房に寄っていかないか。暖かいお汁粉があるんだ。
へーっ、珍しいな、お前から人を工房に誘うなんてさ。
べ、別にいいじゃないか、新年だから特別だよ。
よし、そうと決まれば早速行こうぜ。でもきゅうり入りのお汁粉は勘弁な。
駆け出すまりさを追って慌てて走るにとりは胸の奥がいつになく熱くなるのを感じていた。
今年はこれまでよりもっといい年になりそうな気がする・・・
おわりンゴ
にとりは技術者丸出しのぶっきらぼうでちょっと人見知りだけど、
まりさに好意を持ちつつどう伝えたらいいかわからず素直になれない、
みたいなイメージですかね。
まりさと年越しするぞ、ってとっておきの場所を用意したり
一緒に新年迎えたのが自分だ、って思いがあって嬉しくなったり
本人はさりげなく、工房に寄っていきなよ、なんて言ってるつもりで
がちがち棒読みセリフで全然さりげなくないし、
冷えると思っていそいそとここに来る前にはお汁粉仕込んでいた、
みたいなけなげさが伝わるといいなと思います。
それでは!