さよならと思い出 | 夕方過ぎまで また寝てた

夕方過ぎまで また寝てた

ゆっくりしていってね!

寂しげな表情で窓の外を眺めるみれいを
ゆきみはただ見つめていた。
今日はこの校舎で過ごす最後の日、なのだ。


老朽化に伴う、新校舎への移転が発表されたのは
先月の事だった。
急な話に不満を唱える生徒達も多かったが
学校側は決定は変わらない、と繰り返すばかりだった。
この校舎でなくても生徒も学年も変わらない、
でもここでなくてはならない大切な思い出が失われるようで
ゆきみは寂しさを隠しきれなかった。

移転休み前の最後の登校日、
放課後の生徒達はめいめい
廊下や至る所で記念写真を撮ったり
取り壊される校舎に名前を彫ったり
それぞれの思い出作りに勤しんでいた。

誰もいない教室を最後に眺めておきたい、と
扉を開けたゆきみの目に写ったのは
先客、みれいだった。

「ゆきみも来たの?うちらってつくづく気が合うね」
「全くだね。でもそんな寂しそうな顔、ってキャラじゃないでしょ。
むしろ盗んだバイクで走り出したり、
窓ガラス壊して回ったりしそうだよ」

笑ったゆきみの顔をみれいは意外と真面目な表情で
じっと覗き込んだ。

「そんな事するわけないでしょ。
この校舎にはゆきみと出会ってからの思い出が
いっぱい詰まってるんだから」

目を臥せ顔を赤らめ、
「つまんない事言わせないでよ、バカ」
とみれいはつぶやいた。

少しの間、沈黙があり、机についたゆきみの手に
みれいの手が遠慮がちにそっと重なった。

「なんか寂しくってさ、しばらくこうしていさせて」

少し震えるみれいの手の温もりに
じわっと涙が込み上げてきたのは
寂しさなのか、いとおしさなのか
ゆきみにはわからなかった。




終劇 (・ω・)/


びびびっとでむぱが来たので
邪夢の深夜イベント前に階段で並びながら
速攻、書きました。

なんかしっくりこんけど
まあ、こんなもんで。