以前の記事でも書きましたが、今年に入り、片耳が突然聞こえなくなりました。


耳鼻科では突発性難聴と診断され、ステロイドを含めた投薬治療を行いましたが、効果はありませんでした。その後、鍼灸にも4回ほど通ってみましたが、効果は見られず。現在は、片耳の平均聴力レベルが40dB以上~70dB未満となっています。

 


ということで今回は、こちらのきこいろさんの記事を参考にして、左右の耳が機能することでどのような効果があるのかを知ると同時に、片耳難聴について考えてみることにしましょう。

 

 

両耳聴効果について

 

 両耳冗長性

 

片方の耳で聞き落とした音を、もう片方の耳から入ってきた情報を手がかりとして補完します。
 

 

 両耳加算効果

 

片耳で聞くよりも、両耳で聞く方が音が大きく感じられる現象です。

 

 

 頭部陰影効果

 

聞き取りたい情報に集中するために、自然と片方の耳から入ってくる「聞き取りたい情報ではない音」が小さくなる現象です。

 

 

 音源定位

 

左右の耳から入る微妙な音の強さや音を受け取る時間の違いを脳で分析して、音がどこからしているのかを特定します。

 

 

 カクテルパーティー効果

 

いくつもの音を空間的に別々に聞き分け、特定の音を選択的に聞き取ります。同じように、雑音を取り除く機能も存在します。

 

 

 先行音効果

 

違う方向から2つの音が連続して聞こえてくるときに、この2つの音の間隔が5ミリ以下であれば1つの音として聞こえ、聞こえてくる方向は先に音がした方向によって決まります。

 

 

両耳を使えるということは、より正確に・明瞭に聞くことを助けてくれる様々な効果があるということがわかります。

 

 

片耳難聴であることで感じる不便さ

 

私は以下に不便さを感じています。

  • どこから音が聞こえてくるのかわからない
  • 特定の音を選択的に聞くことができない
  • 音に敏感になる



 どこから音が聞こえてくるのかわからない


先日、散歩をしている途中に町のお祭りに遭遇しました。川沿いに差し掛かったときに、どこからか笛の音が聞こえてきました。しかし、音のする方を探しても笛を吹いている人は見つからず、パートナーに「笛の音がするんだけど、どこで吹いてるのかわからない」と話しかけると、「あそこで吹いてるよ」と、私が探していた方向と正反対の方向を指さしました。


笛の音は、耳が聞こえる右の方からではなく、聞こえない左の方から聞こえていたのです。

 


 特定の音を選択的に聞くことができない


先日、友人と3人でお寿司屋さんに行ってきました。カウンターの席だったので、2人の声が聞こえるように一番左の席に座りました。カウンターはコの字になっていて、私たちはコの字の真ん中に横並びで座りました。左右の席には、別のお客さんが複数人座っていました。

 

カウンターは声が反響する作りで、左右に座っていたお客さんの声と友人たちの声がごちゃ混ぜに聞こえてくる状態でした。本来ならば、特定の音(ここでは友人たちの声)を選択的に聞き分けられるはずなのですがそれができず、全員の声が同じように聞こえた結果、所々聞き取ることができませんでした。



 音に敏感になる


難聴に伴う症状として、耳鳴りや補充現象、めまいが現れることがあります。


耳鳴りは、聞こえなくなった音を補おうとして脳が過剰に興奮した結果、頭の中で作り出された音と考えられています。補充現象は、音の大きさの変化に対して、音の感じ方がとても敏感になる現象です。


私の場合、体調が良くない時や天気が悪い時に補充現象が強く現れます。そのようなときは、耳栓で音を遮断するようにしています。耳栓はこちらのLoop Experienceを使用しています。


耳栓本体だけでなく、シリコンケースもカラフルで可愛いので気に入っています。



当たり前のことが当たり前でなくなること


耳が聞こえなくなるまでは、上記のようなことを意識することなく過ごせていました。しかし、耳が聞こえなくなりこれまで当たり前にできていたことができなくなってしまった、というその事実が、想像以上に私の心にショックを与えました。



前述したお寿司屋さんに行った日、そのショックが爆発し、帰り道に涙が溢れ出てきました。


(渋谷の街を泣きじゃくりながら歩く人を見かけていたとしたら、それは私でしょう。)


こんなに泣いたのは、がん宣告以来かもしれません。むしろ、がん宣告より辛いんじゃないか、とまで思ったくらいです。(脳が当時の辛さを薄めてくれた結果かもしれませんが)



がんと同様に、病気と共存していくことに、いつかは慣れるのかもしれませんが、しばらくはこのショックと向き合わねばならないようです。


 

それではまた