後編ではビタミンCの美容やアンチエイジング面を説明をしていきます。

 

・ビタミンCは何を選ぶべきか

まず、世の中に出回っているサプリメントとしてのビタミンCの9割以上は中国産です。

拘る場合は原料の生産国を見ると良いです。

ビタミンCは熱に弱いという出回った情報は否定されてきていますが、ビーカーで加熱する分には、2時間で少しずつ濃度が落ち始め、5時間経つと2割以上落ちたという実験があります。

サプリメントは食品レベルと医薬品レベルで作られているものがあり、医薬品レベルでは成分が壊れてしまわないように温度管理をしなくてはなりません。食品レベルでは、製造過程で粒状に圧縮する時に熱でビタミンCが酸化してしまっている恐れがあります。この過程でどれぐらいの温度で製造されているか分からないですし、ビタミンC1000mg入りで数百円で数ヶ月持つといった食品レベルのサプリメントも多々見られますが、錠剤やカプセルの形を整えるために賦形剤、乳化剤、増粘剤としてサプリメントの主成分以外のものも含まれているため、悪影響がないものか注意が必要です。また、食品添加物は副作用がなくても肝臓に負担をかける事になりますし、錠剤やカプセルが大きいものでは重さの3分の1が添加物で占めています。

せめてサプリぐらいはと思ってなるべく食品添加物の入ってないものを選んでいます。

以上を踏まえて、製薬会社が販売しているビタミンCは安全で、オススメできると考えています。

私が使用しているシオノギ製薬のシナール種や過去に使用していたエスエス製薬のハイチオールC、含有量が多いタケダ薬品のビタミンC等があります。

また、美白美肌になったと知名度(宣伝力)の高いリプライセルのような商品はビタミンCと油が化合されており、性能がよく吸収率が高いためだと考えられます。リポソーム化と言われるカプセル化によって98%吸収と言われていますが、医者側からするとそこまで吸収されるとは考えにくいそうです。危険性については特に出てきませんでした。値段も少々高く、何よりまずいらしいですが美容YouTuberがよく使っています。

 

・1日あたりのビタミンCの摂取量

全米アカデミー医学研究所(旧米国科学アカデミー)の食品栄養委員会(FNB)は食品とサプリメントの両方からの摂取に適用されるビタミンCの許容上限量(UL)を設定している。成人は男女共に2000mg。

健康に過ごすことにおいて、1日に必要な摂取量が100mg程度であるが、肌の老化を防いだり、抗酸化や美白効果、しみしわ対策等を期待するのであれば、食事では大して取れないのでサプリを摂取する必要があります。

この上限量は健康的な生活をするのに問題ないという量ですが、私が調べている中でビタミンによっては上限量が緩く危険性があると思われるものがある反面、大量投与に問題がなく、むしろ病気を予防すると言われているビタミンCについては上限量が低く設定されているように感じます。これは2000年以降改定されていません。

また、他のビタミンと違って大量摂取で明確な危険性が示唆されていないことから、数十年前からビタミンCを推している医者も数多くいます。

美容目的の場合は経口摂取で2〜4g/日(ULを超えたくない場合は2g以下)

がん治療目的の場合は50〜100g/日(点滴)

ビタミンC血中濃度を3000~4000μg/mlに達する濃度で行います。

効果があると感じられる最大適量6g/日

10gを超えるとお腹が痛くなる。

大量に摂る場合は粉末のアスコルビン酸として安価で販売されています。味はまずいそうです。効果はあると思われますが安全性については分かりかねますので使用する際はご自分の判断でお願いします。

 

・ビタミンCを飲むタイミング

水溶性ビタミンは半分も吸収されないと言われており、油と一緒に摂ることで吸収率を上げることができるので食後に摂るのが良いです。

また、ビタミンCの吸収量は血中濃度でわかるのですが、口から摂取した場合は、どれだけ摂っても一定のところで吸収量が頭打ちになるとする論文が出ています。

また、ビタミンCの摂取量が増えるほど吸収率は下がるとのデータもあるので、ただ量を多く摂ればいいというものではありません。可能であれば、食後だけでなく数時間ごとに飲むことで吸収率を上げることが出来ます。

また、ビタミンCの保存方法としては少なくとも熱の影響を受けるため温度を低く保つことが重要です。

 

・美容サプリとしての飲み合わせ

よく言われてるのはビタミンC+LシステインもしくはビタミンC+トラネキサム酸です。

少し高いですが、トランシーノⅡというトラネキサム酸750ml、Lシステイン240ml、ビタミンC300mg含まれたものも売っています。

この場合、ビタミンCの含有量が少ないのでビタミンCだけ別で買う必要があります。

 

・L-システインの効能

L-システインは、体内では坑酸化作用(活性酸素の除去)があり、代謝を促進させてメラニン色素の生成を抑制したり、肝臓の解毒作用も持っています。これらの働きを期待して、皮膚疾患・抗アレルギー薬、放射線などによる白血球減少抑制する医薬品などの成分として使用されています。 また、美白・美容のサプリメントや、二日酔いの薬としても広く利用されています。

L-システインは体内でも合成することができますが、加齢とともにその量が減っていくと言われています。摂取量は人によりますが、製薬会社が販売しているビタミンC+L-システイン入りの商品は大体240ml程です。

他に海外から輸入できるL-システイン単体で500ml入っているサプリメントもあります。レビューを300件ほど見たところ、白くなったという人も少数いましたが、三ヶ月~半年の間、3g取っても効果がない人や500ml取っただけでも白髪が増えてしまったという副作用が現れる方が多かった印象です。白髪対策としてビオチンと飲むことで防げるという情報が蔓延していますが、飲んでいても白髪になった方や増えた方も多く、鵜呑みにはしない方がよいでしょう。

製薬会社の商品は240ml程度で、私は1度辞めてまた飲み始め合計5年程飲んでますが白髪が生えたことはおそらくないです。

また、先述したビオチンですが、腸内で生成され、普通の生活を送っていれば不足することはまずないです。皮膚炎を起こす炎症物質ヒスタミンの生成を抑えてくれるのでアトピーに有効とされています。私も一時期、ひどい時に使っておりましになった気はしましたが、今はビタミンCを摂っているので、抗アレルギー作用が働いているのか特にビオチンが必要だとは感じないです。

 

・L-システインの危険性

2015年に東大大学院の研究でL-システインは2型糖尿病患者の一部で、血液中のL-システインが長期的に増えることに着目し、L-システインがβ細胞のインスリン分泌不全に関わっていることを突き止めた。つまり、2型糖尿病が悪化するおそれがあるが、健常な人についてや摂取量については研究の余地があります。通常の美白としての量で内服するのは問題ないとされているが、大量投与は危険であると考えられています。

 

・トラネキサム酸の効能

トラネキサム酸は、タンパク質を構成する成分である必須アミノ酸リシンを元に人工合成されたアミノ酸の一種であり、炎症を引き起こす生体内の酵素「プラスミン」を抑制する「抗プラスミン作用」を持っており、肝斑の原因となるメラニンの発生を抑制し、この結果肝斑を薄くする作用があると考えられております。

また、喉の腫れや口内炎を治療する薬から、毎日使う歯磨き粉など、幅広く使われています。また、美容液やクリームとしても売られています。

トラネキサム酸は非常に特異的で、メラノサイトのメラニン生成を直接抑制するわけではありません。 むしろ周囲の細胞に働いて、周囲の細胞からメラノサイトがメラニンを生成するパラクライン作用、これを抑制するのではないかと考えられています。アスコルビル酸やL-システインはチロシナーゼというメラニンを作る際の律速酵素の活性を抑制することが明らかにされています。直接メラノサイトに働きかける。また、メラノサイトへの細胞毒性は非常に低いことが分かっています。

 

・トラネキサム酸の危険性

トラネキサム酸は血栓の溶解を抑制する作用があります。 すなわち、血栓が生じやすい人にとっては、それを溶解するのを抑制してしまう作用があり、脳梗塞や心筋梗塞、および血栓性静脈炎などの疾患を持つ人、またそのようなリスクがあるコレステロールが高い人に対しては危険です。

また、副作用として蕁麻疹、胸やけ、眠気、吐き気、食欲不振などがあります。

 

・市販清涼飲料水中のビタミンC含有量

また、清涼飲料水のビタミンCの含有量を調べた実験では、表示のなされていた製品の多くは実測値と近似値を示したが、茶飲料系のみは表示値(34mg/本)に 比べて実測値(7.84mg/本)は低い値を示しました。この要因として茶成分中の種々の共 存物 質の影響があったか、あるいは保存状態による何 らかの影響があったものと推察 しました。つまり、多少少なくはなるがほぼラベル通りのビタミンCを摂れる可能性が高いことが分かりました。

 

・超高濃度ビタミンC点滴について

少量から1万円前後と高いですが、大量のビタミンCを直接血液に直接投与できるため、経口摂取するよりも高い効果があると言われています。

ビタミンC点滴は美容外科だけでなく、内科等のクリニックでも行われており、美容目的やがんに効果があると言われているが日本ではそれほど普及していません。

その理由に日本では保険外診療であることで続けるには多大な費用がかかること、医学部でもビタミンCについて教わらないので医療従事者に正しい情報が伝わっていないことがあります。

また、アメリカの教授によって書かれた過去の論文では酸化されたビタミンCはがんに効果がないこと、アスコルビン酸10gを点滴として使用したががんには効果がなかったという論文があるが、点滴で使用する場合50〜100gは必要とされているにも関わらず情報不足の場合、正しくない手法を用いた論文の存在が医師たちにビタミンCを誤解させていることもあります。

そして、ビタミンCに抗がん効果を認め、保険内治療にすると製薬会社が儲からなくなってしまうので事実は分かりかねますが、意図的にそのような論文が書かれたとも言われています。

 

・メガビタミン主義

メガビタミン主義とは、通常の所有量の10倍以上にビタミンを摂取することにより、健康を維持しようとする考え方をいう。このようなメガビタミン主義は2度のノーベル賞受賞者(メガビタミンとは関係なし)のライナス・ポーリング教授が1977年にビタミンCの大量摂取療法、メガビタミン説を発表したことから始まります。

普段から10g以上のビタミンCを摂り、風邪をひいた時には40g摂っていたそうです。96歳まで生きています。

また、ポーリングに大きく影響を受けている三石巌さんも96歳まで生きています。

現代の日本においても、調べてみるとで医者をはじめ少数ながら見受けられますが、メガにしようと一定を超えると自分で感じる効果は変わらないそうですので、お金や手間やお腹の事考えるとそこまで摂る必要はないと思います。メガビタミン主義で、それに関する本まで出したであった平井和正さんは76歳で急性心不全で亡くなってます。漫画家は短命の方が多いので、同じく座りっぱなしの作家も比較的短命が多いかもしれませんね。

 

・天然ビタミンと合成ビタミン

ビタミンC(アスコルビン酸)は非常に酸化されやすい不安定な物質です。合成ビタミンCの場合は複数の代謝物が混合することにより、その性質は変化する可能性もあります。天然のビタミンCにはシュウ酸なども一緒に含まれているので、それが影響するという可能性も否定はできないのです。

サプリメント中のビタミンCは、通常アスコルビン酸の形で含まれていますが、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、その他のアスコルビン酸無機塩、バイオフラボノイド配合アスコルビン酸など、その他の形態でのサプリメントもあります。どの形のビタミンCが、他と比べて優れているかについては研究で明らかになっていません。

従って、天然と合成のビタミンCが完全に同一とは言えないのですが、天然のほうが健康的とも言い切れません。

 

・ビタミンCを塗るのは効果があるか?

これについては、医者の間では賛否両論あり製薬会社など化粧品会社はもちろん効果があると言います。ところが、2018年に日本の研究グループはヒト皮膚3次元モデル(培養表皮)を用いてビタミンCが紫外線による皮膚障害に対して保護効果、治癒効果があるかを調べました。

紫外線を照射する前後の3時間にビタミンCを表皮表面に塗布し、皮膚障害への効果を調べました。その結果、紫外線照射の前または後にビタミンCを表皮表面に塗布すると、表皮にビタミンCが取り込まれ、紫外線照射による皮膚障害が抑制されました。また、その効果は紫外線照射後よりも、照射前にビタミンCを塗布した方がより効果的であることがわかりました。

そして、推奨する効果的なビタミンC塗布方法は、誘導体ではない純粋なビタミンCを含む美容液を朝や外出前、皮膚に塗布すると発表しています。

ビタミンCがしみになると言われているのは、果実に含まれるソラレンという物質なのですが、ビタミンC自体に含まれているのではないので、レモンパックをしてから出かけるといったようなことをしなければ問題ないです。ただし、メラノCC等のビタミンC誘導体の化粧水や美容液にはレモンやグレープフルーツの果汁が含まれていることがあります。それがしみの原因になる程の影響があるのかは調べましたが出てきませんでした。朝は日焼け止めを塗っておくのが間違いないです。そして、夜にビタミンC誘導体を塗りましょう。

 

https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/16.html(ビタミンC | 海外の情報 | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業)

 

https://dm-net.co.jp/calendar/2015/023128.php(アミノ酸サプリの「システイン」に糖尿病を招くおそれ | ニュース | 糖尿病ネットワーク)

 

https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/160460-1-23.pdf(美白医薬品の効果と安全性)

 

http://www.gankatsu.net/cn38/molecular13.html(オーソモレキュラー第13回 | 統合医療でがんに克つ)

 

https://www.taiyou-clinic.jp/blog/archives/1368(「ビタミンCは腎臓結石の原因ではない!」 | うしおえ太陽クリニック 統合医療ブログ)

 

https://www.teu.ac.jp/press/2018.html?id=143(ビタミンCによるがん転移の抑制メカニズムに新発見 還元型と酸化型で生理作用に違い | 2018年のプレスリリース | プレスリリース | 東京工科大学)

 

http://www.tochigi-edu.ed.jp/utsunomiyajoshi/ssh/H23/report/does_Heat_Destroy_VitaminC_P.pd(ビタミンCは加熱すると壊れるか)

 

https://serai.jp/health/317007(なんとそんな効果も!あなたが知らないビタミンCの7つの働き | サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト)

 

https://www.cochrane.org/ja/CD000980/bitamincniyorufeng-xie-noyu-fang-oyobizhi-liao(ビタミンCによる風邪の予防および治療 | Cochrane)

 

https://www.mdpi.com/2072-6643/9/4/339(Nutrients | Free Full-Text | Vitamin C and Infections)

 

http://aasj.jp/news/watch/6679(4月2日:ビタミンCによるガン治療(4月10日号Cancer Cell掲載論文) | AASJホームページ)

 

https://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/233315.html(ビタミンEとCの併用で頚動脈肥厚が抑制−−ASAP追跡研究:MedWave Back Number)

 

https://www.health-station.com/topic-113.html(ヘルスネットメディア:ビタミンC、推奨摂取量の上限設定(米国))

 

https://www.cyzowoman.com/2017/10/post_157369_1.html/amp(美容女子がすがる「リプライセル」は信用できるのか? 医師が明かす「ビタミンC」のウソホント(2017/10/28 17:00)|サイゾーウーマン)

 

https://m.youtube.com/channel/UCGsh0QlgJHabgGOPehVJ-pQ(ビタミンCサプリのよい選び方等)

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1987/47/3/47_3_247/_pdff(市販飲料水中のビタミンC含有量)

 

https://isom-japan.org/article/article_page?uid=657Kx1558506567(オーソモレキュラー医学会|)