グレイに肩を組まれてショッピングモールまで来たナツとグレイ
ナツはようやくグレイから解放され距離を取る
ナツとしてはこんな夜に連れ回される意味がわからなかった
「ナツ、おまえ明日ウェンディとのクリスマスどんな格好で行くんだよ?」
グレイはナツにそういう
グレイからすればナツにほんのすこしでも明日は特別な日だからすこしはお洒落していこうとかの気持ちがあればこのまま帰すつもりだった
というか本音を言えばグレイはなんでクリスマスの前日にこんな奴と過ごさなきゃならねぇんだと言うのが本音だった
本当だったら1秒でも早くこいつとはおさらばしたいというのがグレイの本心だ
「明日?
いつも通りに決まってんだろ?」
ナツがなに当たり前のこと聞いてんの的な顔をして言うが明日に関してはそれは大いなる間違いだ
おそらくウェンディは明日どんな服を着て行こうかと悩んでるはずだ
それなのにナツはいつも通りで行こうとしていた
これは来て正解だったなと内心グレイは思った
「ったく、オレが見立ててやるからおら行くぞ」
グレイはナツを無理矢理引き連れて服屋を見てまわった
意外にもナツは貯金していたらしくそれなりにいい服を買えた
勿論ナツの魔法の特性も考え耐熱性の衣服だ
「おまえ、クリスマスプレゼントとか考えてんのか?」
グレイはこいつならやりかねないと思いウェンディへのプレゼントは用意してあんのかと聞く
「馬鹿にすんじゃねー!!
そんくらい用意してるっての!!」
馬鹿にされたと感じたのかナツはムキになりながらグレイにそう答えた
「おまえがクリスマスプレゼントを・・・か
まぁ、おまえにしちゃやるじゃねーか」
あのナツがプレゼントを用意してるとはとても思えなく内心グレイは驚いた
「うるせーよ!
てか、服着ろよ」
「うぉっ!!」
ナツはグレイにそう指摘した
こんな真冬に裸になるって頭おかしいんじゃねぇのかとナツは思うが、まぁ氷の魔道士だから大丈夫だろうと呑気にそう考えた
「じゃあな、ナツ
明日上手くやれよ」
「おまえもな・・・」
グレイはナツの服の見立ても終わりこれ以上はいる意味がないと帰路を歩いていく
ナツにヒラヒラと手を振りながら
「ウェンディのほうはミラちゃんがいるし大丈夫か・・・」
まぁ、ウェンディだしミラちゃんがいなくても大丈夫だろうと考えながらグレイは帰って行った
「明日はクリスマス・・・か」
ナツは今までクリスマスはギルドの皆と馬鹿やって過ごしてきた
だから誰かと二人きりで過ごすなんて始めての経験だった
まぁハッピーをかえす時にリサーナと二人きりにはなったがあれとはなんか違う感じがした
だからナツは明日はどう過ごしていいのかわからず戸惑うばかりだった
「ウェンディ・・・、明日どんな格好でくんのかな・・・」
グレイがナツの服を見立てたということはウェンディは明日お洒落をして来るということがいくらあのナツでもわかった
だからあのウェンディがどんな格好で来るのかナツは気になった
まぁ考えても仕方ねぇとナツも帰路についた
ナツの家が近くなると人影がみえた顔は暗闇でわからなかった
近くまで行くとそこに見知った顔の明日約束したウェンディの姿だった
「ウェンディ、どうしたんだ?」
ナツはウェンディの近くまで歩いて行きそう聞いた
ウェンディは長い時間待っていたのか頬が赤くなっていて寒そうだった
それに聞いたあとに気づいたナツは流石にこのまま聞くのはまずいかと思いウェンディを家の中へ入れようする
「とりあえず入れよ、ウェンディ
寒いだろ?」
「は、はい、ありがとうございます
お邪魔します」
ウェンディはナツの言葉に甘えてナツの家に入れてもらった
ウェンディはまだ寒いのか手に自分の息吹きかけてハー、ハーしていた
見かねたナツはそんなウェンディの両手を自分の手で包み込む
「ナ、ナツさん!?」
「そんなことしなくてもこっちのほうが早くあったまるって
オレは火の魔道士だからな!」
ウェンディはさっきとはまた違った意味で頬を赤くしていた
「ところでどうしたんだよウェンディ
オレの家にまで来てつかハッピーがいるんだし入れてもらえばよかっただろ?」
ナツはウェンディの両手を、包み込みながらウェンディになんで自分の家の前にいたのかを聞く
ウェンディが暮らしてるフェアリーヒルズとナツの家は逆方向なためウェンディが帰るならここに寄る理由がない
「あの、明日クリスマスなんですけど・・・
時間、伝えてなくて・・・」
「あぁ・・・」
そういえばとナツは思い返した
確かにクリスマスである明日、一緒に過ごしませんかとは言われたが時間までは伝えられていなかった
そのためにウェンディはナツが帰ってくるこの時間までに待っていたのだ
「えーと、明日夜の7時マグノリアのイルミネーションで待ち合わせでどうですか?」
「わかった、明日の7時な」
「は、はい、では用件はこれだけなので帰ります」
ウェンディは用件は伝え終わり帰ろうとするが
「送ってくぞ?」
ナツはウェンディにそう親切心で言った
確かにこんな夜中に女の子一人歩かせるわけにはいかない
まぁナツはそんなことはわからずただの親切心で言ってるだけだが・・・
「だ、大丈夫です!」
ウェンディは頬を赤くしながらナツから逃げるようにお邪魔しましたと言って走って帰って行った
「どうしたんだ?
ウェンディ」
「照れてるんだよ」
ハッピーが答えるがナツはなんでど首を傾げた
そんな様子のナツにハッピーは深いため息を吐いた