ラプサン・スーチョンの呼び声 | わがウォーゲームの追伸

わがウォーゲームの追伸

膨大に溜め込んでしまったウォー・シミュレーションゲームの想い出やソロプレイ記録などをつづります。

ラプサン・スーチョンと言う紅茶をご存知でしょうか?
中国の福建省武夷山で取れる正山小種の英語名ですが、その独特の香りに魅せられたグレイ伯爵が英国で再現しようとトワイニングに依頼し、出来たのがアールグレイだと言われています。
(アールグレイはベルガモットの香りのフレイバードティーで、アイスティーでお馴染みのおいしい紅茶です)


ラプサン・スーチョンは中国から日本にほとんど入らず、英国経由でわずかに入ってくると言ういわく付き。

レア物なのだ!と勝手に解釈して、さっそく買いに行きます。

紅茶売り場で「ラプサン・スーチョン」と告げる私。


・・・と、売り場のお姉さんの表情が一瞬固まり(凍りついたようにも)、同時にそばにいた常連さんが思わず振り返ります。


あの反応は何だ?とは思いながらも、若干の優越感と共にキャッシングを済ませ、家に飛んで帰ります。

お湯を沸かし、ティーポットとティーカップをあたため、いざ封を切ると・・・


周囲に一気に広がる独特の異臭!


そう!
ラプサン・スーチョンは松の木で徹底的に燻されて作られたフレバードティーなのでした。
この臭い(もはや匂いなんかじゃない!)はまさしく正露丸


この瞬間、悟りました。

ラプサン・スーチョンは日本に入ってこないのではなく、日本では人気が無いからあまり輸入されていない紅茶だったのです。

とは言え、ここで引き下がるわけには行かず、ゴールデンルールに従って紅茶を入れます。
ただ、ホントに厳しい臭いです・・・


(ところでお湯の沸かし方はいろいろやってみましたが、やはりある程度はぐらぐらしてからでないと、うまくジャンピングしてくれないようで)


で、飲みました・・・。


これはいけません!

悶絶ものです。

これがくせになる、と言う人もいらっしゃいますが、私にはムリ。
くせになるまで飲み続けることは出来ますまい。
胃の中どころか髪の毛まで臭いが染み付いたようで・・・
ティーポットやティーカップに染み付いた臭いまでなかなか取れません。

話の種に会社に持って行こうかとも思いましたが、この有様では水筒も大変なことになるかも・・・と諦めました。


まったく、どこをどうやったらこんなモノ(失礼)からあのアールグレイが出来るのやら・・・
じつは、かの紅茶研究家の磯淵猛先生の本(「二人の紅茶王」筑摩書房刊、「一杯の紅茶の世界史」文春新書刊)によると、これには大いなる誤解があったのだとのこと。
この経緯は非常に面白いので、ぜひ読んでみてください。


なお、本で紹介されているアールグレイのもとになった本当の正山小種ディンブラのネット通販で購入可能ですので、こちらもぜひ一度飲んでみて下さい。
こちらは美味しい紅茶でしたので。


それにしても、恐るべしラプサン・スーチョン。

この臭いにして英国では珍重されると言う・・・
私には「名状しがたいもの」でした。

こんな謳い文句でネクロノミコンルルイエ異本に載せて欲しいもんです。



其は芳しく香りたる龍眼にあらねど、
測り知れざる永劫のもとに本物を超ゆるもの