☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

*「僕らがつないでいく」の番外編です。


ミラクル・サマー…01











西の空のオレンジが藍色に変わる頃…

ヒュ〜…と光の筋が空に上がって
大きな花を咲かせた。

「わぁ〜〜〜…」

どこからともなく歓声が上がって
皆んなが空を見上げた。

次々と打ち上げられる花火のドーーーンって音が腹に響く。

「スゲー!」と興奮している翔が
目をキラキラさせて夢中で空を見上げている。

「東京の花火はもっと凄いんだろ?」

「ん〜…凄いかもしれないけど
こんなに近くで見れないからなぁ…
やっぱり島で見る花火は迫力が違うよ」

「そうなんだ…」

翔に島の花火を褒められて嬉しくなる。

「あ!やまや〜って…」

「え?なに?」

「花火大会のポスターに『やまや〜って叫んでね』って
書いてあった気がする」

「そうだった?全然気が付かなかったけど…」

「じゃぁ次があがったら『やまや〜』って叫ぶぞ。
智も花火の音に負けんなよ!」

そっか!よしっ!

身構えると

ヒュ〜…ドーーーン

大きな音に負けない様に

「「や〜まや〜〜〜っ!」」

空に向かって叫んで二人で笑った。



楽しかった時間は花火みたいに儚くて
ひときわ大きな尺玉が打ち上げられて花火大会の終わりを告げると
ゾロゾロと帰る人達と一緒に浜を後にした。

楽しい花火大会の後って 何でこんなに寂しい気持ちになるんだろう…
花火大会が終わると翔と一緒にいられる日にちも残すところあと10日くらい…
10回遊んだら翔はまた東京に帰っちゃうんだ…


「智…ちょっと寄り道しない?」

翔が俺の手を掴むと防波堤へと左に曲がった。



真っ暗な空と真っ黒な海。

浜の明るさから急に暗い防波堤に来たから目が慣れなくて
ちょっと怖くて翔の手をギュッと掴んだ。

防波堤の先まで行くと海の向こうにさっきまで居た浜が見えた。

コンクリートに翔と並んで腰を下ろして
何を話すでもなく暗い空と海を見ながら
足をブラブラと揺らす。


何んだろう…

胸の奥がギュ〜ってなって
訳もなく泣きたい気持ちになるのは何でなんだろう…


「智…また来るから…
来年も再来年も…
大人になっても絶対来るからな」

「うん…」

頷くと鼻の奥がツーンとした。


来年も再来年も…
大人になってもずっと待ってるから…

翔の事…ずっと待ってるから…



☆*:.。. 終わり .。.:*☆


yayosatoさん、今年も楽しい企画をありがとうございました。
叫びに来てくださった皆さんもありがとうございます。
ご挨拶は後ほど改めて…
取り急ぎ私も叫びに廻ります=3


☆*:.。. ま〜ら .。.:*☆