☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





タイミングよく待たずに座れたファミレスで
二人揃ってオムライスを注文してドリンクバーに向かう。

俺がアイスラテを注いでると

「お!パイナップルジュースがある!」

嬉々としてグラスに氷を入れる智が可愛くて

「子供かよ!」

ってからかったら

「翔だってカフェラテなんて洒落たふりしてるけど
言ってまえばコーヒー牛乳じゃん」

まぁ確かにな…ガムシロ必須だし。

「二人ともオムライスを注文してるところで
子供って事か」

「あはは…そうだよね。
でもオムライス 美味いじゃん」

「だよな~」


席に落ち着いて冷たいカフェラテを一口飲む。

やっと緊張しないで智と会話が出来るようになってきた。


智がチュ〜っとパイナップルジュースを飲んで
「うま…」と独り言を呟くとストローをクルクル回す。

カラカラ鳴っている氷を見つめながら

「映画…面白かったね」

面白かった…んだ?

俺が返事に困って黙り込むと 智が心配そうに

「え?翔はつまんなかったの?」

いや…そーじゃなくて…

「あんまり内容覚えてなくて…」

「えぇっ?!!」

まんまる目玉の智が俺の顔をまじまじと見る。

「見たかった…んだよね?」

うん…

気まずげに頷くと智が急にションボリと肩を落として

「…ごめん……」

「えっ?!何で智が謝んだよ!」

今度は俺が驚く番だ。

「だって…俺が誘ったから…
もしかして翔は誰か別の人を誘うつもりだったんじゃないの…?
俺…うまく喋れないし…一緒にいてもつまんないだろ?
だから映画も…」


「ちげーーーからっ!!!」


思わず出た大声に 周りの人達が一斉に俺の方を見た。

慌てて身体をすくめると

「逆だってば!」

小声ながらも強く主張すると

「逆?」

智が不思議そうな顔をする。

そうだよ…逆なんだ…
だって俺は智が…智の事が…

あ~~~!クッソ!何て言えば…

アイスラテを一気に半分くらい飲んで
気持ちを落ち着かせる。

折角智が作ってくれたチャンスなんだから
素直な気持ちを曝け出して 今ここから智と始めるんだ。

「そう…逆だよ。
まさか智と一緒に来れるなんて思ってなかったから
俺…嬉しくて舞い上がっちゃって…映画どころじゃなかったんだ。
だからさ…
だから…
また二人っきりで会ってくれるかな?」

智がビックリ顔のまま暫しフリーズして…
解けると笑顔になった。

そして…

「うん!俺もそう思ってた!」



〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜
僕の鼓動が胸を突き抜け
風に乗って降り注ぐよ
今は何にだって どこの誰にだって
シアワセ分けてあげたい
〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜




「じゃぁさ!来週は海行かね?!」

「え?来週?」

「………ダメ?」

眉毛を下げると 智が「んふふ」と笑って

「いいよ」

「よっしゃーーーっ!」

拳を握りしめてガッツポーズ。

そんな俺を見て智が笑う。

笑ってる智を見て俺も笑う。



俺達の夏が始まった。




☆*:.。. 終 .。.:*☆