☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





「大野さんは何が食べたいですか?」

ぶっ!!!…櫻井がそれ聞く?!
ぶぁははは…」


帰る途中、いつものスーパーの魚売り場で
晩メシの材料を物色しながら大野さんに聞くと
思いっきり笑われた。

「くぅっくっく…リクエストして作れんのかよ?…櫻井が!」

そんなに笑わなくたって…

賭けで負けたから今日の晩メシは俺の手料理。
大野さんとの最後の晩餐だから作れるか作れないかは別として
一応大野さんの食べたい物を…って思ったから聞いたのに…

俺が黙り込むと流石に笑いすぎたと思ったのか

「悪りぃ悪りぃ…櫻井が変な事言うから…」

変な事って…

「あ…いや…変な事って言うか…
櫻井なのに普通の人っぽい…?って言うか…」

「………。」

時々意地悪な大野さんが俺の事を弄るくせに
俺が脹れると慌ててフォローする…
この一か月間で何度も繰り返されてきたけど
それも今日でお終いだ。


言葉を重ねるごとにドツボに嵌って若干焦っている大野さんが

「あ!そうだ!これは?…鰻丼なんてどうだ?」

目に付いた鰻のパックを取り上げる。

鰻丼なんて…ただ買った鰻を載っけるだけじゃん…

「もぉいいです…」

スタスタと歩き出すと
鰻のパックを持ったまま俺を追いかけてきて

「おい…怒るなよ。
俺が悪かったよ…でも…鰻良くね?
俺もぉ 一気に鰻の口なんだけど…」

そう言われて大野さんの手元をチラッと見る。

「………。」


鰻かぁ…

ホカホカの鰻丼が俺の脳裏をよぎる。

ふっくらと柔らかい鰻と甘辛いタレ。
鰻のタレの匂いって嫌いな人なんていないと思う。
俺だったらタレだけでご飯三杯はいけるわ。

そういえば最近食ってないな…

鰻のビジュアルが唾液腺を刺激して
俺の口もアッサリと陥落した。