☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





頑張って仕上げた現場を 最後に綺麗にして引き渡す。

「とーーーぜんの事ですよ!」

ジロリと睨むと俺から目を逸らした大野さんが

「別に嫌な訳じゃねぇし…
俺はこの先ずっとここの掃除をするけど
櫻井は最後だからやらせてやろうかな…って思っただけじゃん」

「………。」

そんな屁理屈あるか?

黙り込むとチラッと俺の顔色を見て

「じゃ、じゃぁ…週末に検査を予定したとして…
掃除は木曜日辺りか…?」

「いいっすよ。
木曜日は定例会議も無いし」

「俺の予定は…」

スマホを取り出そうとした大野さんに

「無いですよねっ!」

畳み掛けると

「分かったよ…そんなにムキになんなよ」

大野さんが肩をすくめた。



三週間通ったリノベの現場…
あと一週間で完成する。

最初の頃は数え切れないくらい切り返して
四苦八苦しながら入れていた駐車スペースに
今日は三回で車を入れた。

「随分上手くなったな」

「散々練習しましたからね。
あと一週間で一発で入れられる様になりますよ」

「あはは…それはどうかな…」



車から降りながら

「玄関の壁…何とかなりました」

「お!マジ?!
上手くいったんだ?」

上手くいったかどうかは…

「俺なりに頑張ってみました」

「あはは…まぁいいよ。
少しくらい難が有っても それも味!…な?」

鍵を開けて大野さんが先に入ると、入った途端

「え〜っ!何だこれ?!」

壁を見て大声をあげた。

視線の先には穴が開いた部分に掛かっている額。

「櫻井お前…ここに絵を飾って終わりかよ。
まさか穴も塞いで無いなんて事は無いだろうな?
頑張って考えたのは分かるけど…」

大野さんが呆れ顔でため息をついた。