☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





盛大にあいた穴を二人で見つめて
それぞれ思案にくれる。

壁の表面やボードに傷がついたくらいなら
パテで凹みを埋めて また壁材を塗れば済むけど
ここまでボッコリ穴が空いてしまったら
ある程度の範囲までボードを切り欠いて
貼り直してからじゃないと無理だろう。

「ま!しゃーねぇだろ。
どうせ最後に も一回大工さんに来て貰うつもりだったし…」

しょぼくれている俺の気持ちをすくい上げるように
大野さんが明るく言って軽く伸びをする。

「俺が…自分で直します」

「自分で…ったって無理だろ?
ボードを貼り替えないと…」

やっぱり考える事は同じだよな…
でも…全部他人任せは嫌だ。
俺に上手く直せる気は全くしないけど
それでも自分で開けた穴なんだから…

「なんとかやってみます。
やってみて…どうしても無理だったら…
最後は大工さんにお願いしなきゃいけないかもしれないけど…
でも何もしないで丸投げじゃぁ俺の気が済まないです。
ダメ元でも自分でやってみたいんです」

そう食いさがると
大野さんが俺の顔をジッと見つめた後に
ニヤリと微笑んで

「そっか…
まぁ時間はあるしな…
櫻井の気の済むようにすればいいや」

「はい!」

大野さんの許しを得ると俄然やる気になった。

失敗をしても失敗のままで終わらせたら単なる失敗だけど
そこから学べば失敗じゃない…って どこかで誰かが言ってた気がするけど
単なる失敗で終わらせないためにも まずは自力で頑張ってみないと!

自信はないけど やってみなけりゃ何の進歩もないもんな。
もしかしたら…って事もあるかもしれないし。


たとえ九年間 図工が『C』の俺でもだ!