☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





俺が今担当している二つの現場の定例会議以外は
ほとんどリノベの現場に入り浸って一週間が過ぎた。



「合鍵作ってきたから」

火曜日の午後。
お互いに午前中に事務所での仕事を終わらせて
一緒に現場に向かう車の中で大野さんから手渡された
ピカピカ光る銀色の鍵。

手のひらの鍵を見つめて 少し気が重くなった。

チーフから一ヶ月間はリノベの現場を最優先に…って言われてるし
子供じゃないんだから大野さんが居なくても
俺一人でちゃんと現場を進めとかなきゃ…

分かってる…

分かってるけど…

自分に言い聞かせて一度だけ大野さんが来れない日に
一人で行って新品の合鍵を使ったけど
何となく何もする気になれなくて
いつもよりも寒々しく感じる部屋でボンヤリ過ごした。



全部の部屋の壁を塗り終えて一息ついた土曜の午後。

「今日は早めに終わりにして餃子作ろうぜ」

大野さんから一週間の疲れも吹っ飛ぶ提案に

「餃子なんて作れるんですか?!」

「作れるさ!具材を混ぜて包めばいいだけなんだから。
土曜日くらいはゆっくり飲もうぜ。
一週間頑張ったご褒美でさ」

熱々の餃子とキンキンに冷えたビール!!!

「くぅぅぅ~~~…」

想像しただけで声が漏れる。

「いいっすね〜餃子大好きっす!」

「あはは…知ってるよ。
その代わり包むの手伝えよ?」

「勿論です!
あ…でも………」

逡巡する俺に

「でも?…なに?」

小首を傾げて俺の顔を覗き込む。

「俺…不器用だから…」

俺の顔を見て一瞬目を丸くした大野さんが
「ぶっ!!!」っと吹き出して
腹を抱えて大爆笑をしている。
そして散々笑った後に目尻の涙を拭うと

「…そんなの知ってるよ」

目を細めて微笑んだ。