☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





車に乗り込んだはいいけれど
さっきの大野さんがチラつくせいで
変に意識をしてしまって
何を話したらいいのか分からない。

若干気まずく黙り込んだまま
車を走らせてる俺の気も知らないで…



やっぱりな…

規則的な息遣いが聞こえて
助手席をチラッと見ると
大野さんの頭が左に傾いだ状態で揺れている。


やっぱ寝てんじゃんか!

まだ走り出してから5分も経ってねぇけど?

あんなに「絶てぇ寝ねえし!」って言ってたのは
どこの誰だよ…

毒づきながらも その寝顔を見たら
さっきまでの訳の分からない感情に
締め付けられていた胸の強張りが解ける気がした。

気持ちよさそうな寝息を聞きながら
右折のウインカーを出して
いつもよりもゆっくりとハンドルを切る。

昨日みたいに電車とバスを乗り継いで帰るよりは
車の方がはるかに時間が掛からないとは言え
丁度混んでいる時間帯だ。

いつもだったら渋滞を避けて裏道を探すところだけど
寝ている大野さんを直ぐに起こすのは忍びない…

そう言い訳をしながら
混んでいると分かっているのに
渋滞している幹線道路を選んで車を走らせた。

渋滞で止まる度に…
赤信号にひっかかる度に横目で助手席を見る。

無防備な顔で寝ている大野さんは
さっきとはまるで違う表情をしていた。

少し口を尖らせて …
ははは…やっぱり子供みたいだな。

その顔を見ていると疲れも忘れて自然と笑みが溢れてくる。


カーステレオから流れる音楽と
大野さんの寝息を聞きながら
不思議な感情が湧き上がってくる。



何だろう…

胸の奥に明かりが灯るみたいな この暖かさは…


何だろう…

このままどこまでも走り続けたいと思う気持ちは…


何だろう…

今この時間を誰にも邪魔されたくないと願う感情は…


何だろう…


一体…


何なんだろう…