☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

「熱いから気をつけなさいね…」

 

母さんが俺の前に小さなお椀を置いた。

 

あぁ…懐かしいな…母さんの作る雑炊。

 

子供の頃に風邪をひいたり

お腹を壊したりした時に作ってくれた。

 

最近は寝込む事なんてなかったから

久しぶりに食べる卵雑炊。

 

匂いを嗅いだら急に腹が減ってきた。

 

スプーンですくってフーフーと息を吹きかける。

一口すすると あの頃と同じ優しい味がした。

 

「…ぅんま」

 

思わず声が漏れると

 

「そぉ?良かった…」

 

少し安心して嬉しそうな顔をした母さんが

椅子を引いて俺の前に座った。

 

「食べられるなら大丈夫かしら?

でも明日 お医者さんに行ってみる?」

 

「え〜…いいよ…

もう大分良くなったし」

 

「でも最近ちょっと変じゃ無い?

いつも寝てるし…

この前も頭痛いって薬飲んでたでしょ?」

 

あぁ…あれは頭が痛くて飲んでた訳じゃなくて

早く寝て智に会いたかったから…

 

でもそんな事は言える訳がない。

 

「…なんか眠りが浅くてさ。

寝ても寝ても寝た気がしなくて…」

 

「あら…

なんか気になる事とか困った事でもあるの?」

 

気になる事や困った事か…

 

智の事ばかりが気になって

智に会いたくて困ってるといえば困ってるけど…

 

それも言える訳がない。

 

「いや…春だからかな…」

 

「そんな事ならいいんだけど…」

 

母さんが顔をしかめて

 

「でも念のために明日行きましょうよ。

何でも無ければそれでいいんだから…」

 

いや…明日はダメだ…

だって智に…

 

「明日は潤のところに行こうかと思って…

今日行けなかったから…」

 

潤のところに行けば

智に会える…

 

「でも…無理しない方が…」

 

「大丈夫だよ。

無理しない…明日になっても怠かったら

医者行くから…」

 

「…そぉ…?」

 

母さんが渋々頷いた。