☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

カチャ…と小さな音を立ててドアが開いた。

 

「…翔?…起きてる?

具合はどぉ?

ご飯できてるけど…軽く食べる?」

 

いつもは騒々しい母さんがベッドの横で

小さく声をかける。

 

一眠りしたせいか頭痛は治まったけど

身体が怠くて食欲も無い。

 

「大分良くなったけど…

メシはいいや…?」

 

「そぉ…?

アンタ最近あんまり食べてないんじゃ無い?

てっきり学校帰りに友達と何か食べてきてんだと思ってたけど…」

 

母さんが心配そうに眉間にしわを寄せる。

 

あぁ…そっか…

そう言われてみたらメシを食う事よりも

智と会う事ばかりに心を奪われてたから

今日の昼も食ってなかったわ。

身体が怠いのはそのせいだったのか…

 

メシの話しをしてたら少しお腹がすいてきた。

 

「じゃぁ…少し食べよっかな」

 

「そぉよ。少しでも口に入れないと…

雑炊なら食べられるでしょ?

じゃぁもう用意できてるから降りてきなさい」

 

母さんが珍しく静かに階段を降りる音を聞きながら

むっくりと起き上がると足だけ降ろしてベッドに腰掛けた。

 

 

 

「…ん〜とね…川?…川のそば…」

「割と広いよ?

電車の橋が架かってる」

 

さっきの智の言葉を反芻して

あの川を思い浮かべる。

 

陸橋を通過する10両編成の急行電車。

犬を散歩させているオバさん。

ウォーキング中のオジさん。

ジョギングしている高校生。

水面に浮かぶ鴨はもうすぐヒナの姿も見える頃…

 

 

あの川のそばで智に会える。

 

 

もうすぐ会えるんだ。