☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

公園の出口の外灯の下で翔が振り向いた。

 

走り寄る俺をこぼれ落ちそうな目で見ている翔を

外灯の灯りがスポットライトみたいに浮かび上がらせる。

 

走った勢いのまま翔の左腕を掴んで

 

「そ、そうなんだ!」

 

前後の脈絡もなく思いついた言葉を吐き出した。

 

「…え?」

 

急に勢い付いた俺に戸惑った翔が

少し仰け反って俺を見る。

 

「本当は俺も言いたかったんだ。

あの時 翔に…」

 

大きく深呼吸をして息を整える。

 

「翔に『付き合うなよ』って…

そう言いたかったんだ…」

 

言ったぞ!

とうとう言った・・・

あの時に言いたくても言えなかった言葉を・・・

 

ずっとずっと心の隅に引っかかっていた。

あの時にこの言葉を言えたなら

俺達の2年半も違っていたのかもしれない。

 

 

翔が大きく目を見開いたまま一瞬息を飲むと

 

「…それ…って…?」

 

「…えっと…だから…」

 

聞き返されて口ごもる。

 

「…どう言う意味で?」

 

どう言う…って…

え・・・っと・・・

その…なんだ…?

だから…俺も…

 

黙り込んだ俺に翔が居住まいを正して

正面から向き合うと

期待を込めた目で俺を見つめた。

 

いや…

そんなに期待されると…

なんか言いづらいって言うか…

もっと…こう…サラッと言って…

サラッと聞き流してほしい…って言うか…

 

今更 冗談めかすことも出来ずドギマギして

翔の左袖を掴んだまま視線を落とすと

翔が半歩距離を縮めて

 

「…なに?」

 

俯いた俺の耳元に翔の吐息がかかると

自分の耳が紅く染まるのを感じて

余計に顔が熱くなった。

 

「なんで…付き合うなって…言いたかったの?」

 

ぐ…

もう分かってるくせに…

 

意地が悪いな…