☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

「かんぱ〜いっ!」

 

卒業生18人と

小中学校の教師が集まって

それぞれが持ち寄った料理に舌鼓を打つ。

 

皆んな生まれた頃から兄弟みたいに育ってきたから

気を使う事もなく 顔を合わせた途端に

時間が一気に巻き戻される。

 

教師にとっても教え子とは言え 

卒業した子供達は肩の荷が降りた存在で 

今までの教師と生徒といった関係とは若干違うような気がする。

 

 

「部活なに入った?」

 

「同級生はイモだけどイケメンの先輩がいてさ〜」

 

「なに?お前、ピアス開けたの?」

 

「おっ!これ美味いっ!」

 

「りんごジュースがいい人〜っ?!」

 

「は〜いっ!」

 

それぞれが勝手に喋って勝手に笑って…

何とも賑やかだ。

 

そんな様子をウーロン茶を片手に

翔と並んで見ていた。

 

「やっぱり大人になったな…」

 

男の子はあんまり変わってないように見えるけど

女の子達は薄っすらと化粧をしている子もいて

中学生の頃とは明らかに違う。

 

見た目だけじゃない…

 

親元を離れて親戚の家に間借りしている者。

高校の寮に入っている者。

一人暮らしをしている者もいる。

 

知らない人などいない島で育った子供達が

知らない人ばかりの中で暮らしているんだ。

今 この笑顔の下に寂しさや心細さを必死で隠している。

 

中学と同時に島を出て 高校を卒業しても

ほとんどの子は そのまま大学や専門学校に進学したりして

島には戻ってこない。

そしてそのまま就職する。

 

島で過ごした時間よりも

島を離れてからの時間の方が長くなって

やがて自分達の家族を持つ。