☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

ドアを閉めた智くんが靴を脱いで

 

「あ〜…疲れた…

店に9時って事は…

あと1時間くらいは寝られるか…」

 

小上がりになっている畳の上に

ゴロンと寝そべると

目を瞑って大きく伸びをした。

 

寝転がっている智くんを横目で見ながら

少し離れて腰を下ろす。

 

智くんは座布団を二つ折りにして

枕代わりにすると本格的に寝るつもりらしい。

 

俺の気も知らないで呑気なもんだ…と思いつつも

気まずく1時間も二人っきりで過ごすくらいなら

いっそ寝ててもらった方が有難い…

 

少しホッとして

壁に寄りかかって胡座をかくと

カバンの中から新聞を取り出した。

 

でも…

新聞を広げてみたものの

内容は何も頭に入ってこない。

 

新聞を見るふりをして

智くんの顔を見つめた。

 

すっと通った鼻筋

形の良い薄い口唇

長い睫毛に縁取られた目元…

 

ずっと智くんの一番近くにいると思っていたのに…

今では こんなにも遠く感じる。

 

二人でいるのに一人よりも

寂しくて…虚しい。

 

俺がこんな気持ちでいる事なんて

智くんは全然気づいてないんだろうな…

俺が何で不機嫌そうな顔をしているか…

何で智くんを避けてるか…

 

きっと智くんは

何も気づいちゃいない…

 

俺が智くんの気持ちを分からないのと同じように

智くんだって俺のこんな気持ちに

気付くはずなんてない。

 

俺の視線にも気づかずに

涼しげな顔で居眠りを始めた智くんを

恨めしげに見つめ続けた。