☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

その後の撮影は散々だった。

 

松本とのシーンは一発でOKが出て

松本と智くんはツアーの打ち合わせがあると言って

二人揃って帰っていった。

 

残された俺は一人のシーンを まとめて撮る事になっていた。

 

……がっ!

 

「櫻井さん…さっきの松本さんのキスに

動揺しちゃってます?」

 

スタッフに そう言って笑われるほどNGの連発で

予定していたシーンの半分も撮らないまま

その日の撮影は終了した。

 

「すみませんでした…」

 

ディレクターに頭をさげる。

 

「まぁ…そういう日は何度やってもダメなもんだから

早めに切り上げて 仕切り直しをした方がいいよ。

まだ先は長いから焦る事もないし。

美味い酒でも呑んで 早く寝た方がいい…」

 

俺の落ち込みっぷりを見て

気の毒に思ったのか変に慰められて

また凹んだ。

 

「お疲れ様でした」

 

明日の準備をしているスタッフに挨拶をして

駐車場で自分の車に乗り込んだ。

 

あの日から 撮影には自分の車で通っている。

 

また智くんと一緒に帰れるかもしれない…

そんな淡い期待は なかなか叶う機会はないけれど

今日もマネージャーの迎えを断って

自分でハンドルを握ってここまで来た。

 

エンジンを掛けると 

自然にいつもの場所に車を走らせる。

 

この道を通るのは いつも深夜に近い時間だけど

今日はまだ夕日が沈んだばかりで

西の空にはまだオレンジ色が薄っすらと残っている。

 

こんな時間じゃぁ智くんだって帰ってきてないはず…

 

今頃は松本と打ち合わせをして…

もしかしたら一緒にメシでも食う相談をしているかもしれない…

 

智くんの居ない

智くんのマンションに車を走らせる俺。

 

 

何やってんだろうな…