☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





一度掛かってしまえば
今まで何で掛からなかったんだろう…
って不思議に思うくらい軽快なエンジン音。

少し明るくなるのを待ってから船を走らせた。

「とりあえず太陽と反対の方に進めば
陸地が見えてくるはずだから…
そしたら現在位置も正確に分かるしね。
スマホが繋がればGPSも使えるし」

「そっか…どこまで流されたんだろうね?」

「黒潮に乗ったとしたら結構北まで来てるかも…」

「北かぁ…
昼くらいまでに帰れないとな…」

昼までには港に着かないと
後の仕事に支障が出る。

「そうだよね…昼までには帰りたいよね。
いざとなったら 近くの港に係留させてもらって
新幹線で帰るとか?
ま、エンジンさえ掛かれば方法は幾らでもあるよ」

智くんが俺の不安を払拭させるつもりでなのか
愉快そうに笑う。

「そりゃすげーな。
でもまぁ…日本海域に居るなら
何とかなるか…」

智くんと話しをしていると
どんな事でも何とかなるような気がしてくるから不思議だ。

いろいろ考えすぎて凝り固まってしまう気持ちを
智くんの笑顔が解してくれる。

いつもそうだ…

慎重すぎて次の一歩を踏み出せない俺。

そんな俺を智くんの笑顔が背中を押してくれて
気持ちを軽くしてくれる。

やっぱり俺は智くんが居ないとダメなんだよな…
世紀の大告白も結局は智くんからの…キ…ス…


………。


ヤバい…

前を見据える智くんの横顔。
昨夜の事が蘇って
つい口唇ばかりに目がいってしまう…


しっとりと柔らかい感触…


あの瞬間を思い出すと
胸がドキドキして汗が噴き出してくる。


また触れてもいいんだよね…?


そんな事を考えたら背中を汗が伝うから
智くんにバレないように
シャツの裾をつまんでパタパタと風を送った。