☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





網の中でピチピチと跳ねる魚の
尻尾をつかんだ智くんが
「ほれっ!」と言って俺の前に突き出した。

「え……」

「折角だから…ほれ。
これ持って!写真撮ってあげるからさ」

ほ、ほれって言われたって
生きてる魚なんて持った事ないし…

躊躇していると

「そこに手袋有るから…
鯵はゼイゴやヒレが硬くて怪我するし
手袋してた方が滑んないから」

仁王立ちして俺に魚を突きつける智くんは
流石リーダー!って感じの男前だ。

有無を言わせない雰囲気の智くんを前に
言われるがままにゴムの手袋をして
怖々と鯵の尻尾を掴む。

智くんが持ってる時は死んだみたいに
だらんとしていた魚が俺が持った途端に
急に暴れるからビックリして
手を引っ込めたら床に落ちてピチピチと跳ねた。

「あはは…翔くん 案外ビビリだな」

智くんに言われて

「ビ、ビビってねぇし!」

ムキになって魚の近くにしゃがんだ割には
またも怖々と尻尾を掴む。

そしてまた暴れる魚。

「うへぇ〜…」

と思わず声が漏れて仰け反ると
見かねた智くんが横にしゃがんで
難なくしっぽのつけ根を掴む。

「ほら…ここ持って…
ギュッと掴むと暴れないから…」

ニッコリと微笑みながら
俺の顔を振り向く智くんの顔が
ヤケに近くてドキッとする。


両手じゃないと持てないくらい大きな鯵。
やっとの思いでスマホに収まった後は
智くんが器用に捌いてくれる。