☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





「智くんさ…
あれ、止めてくんない?」

長時間にわたる翔くん司会の音楽番組が終わった。

毎年恒例になった音楽番組の後は
翔くんの部屋で二人っきりの
お疲れ様会をするのも毎年の恒例になった。


折角二人っきりになれたのに
ハイボールを飲みながら
翔くんが文句を言う。

「あれって?」

「だからさ…
『しょうく〜ん!』って叫んだり…」

「今年は呼んでないじゃん」

「そうだけどさ…
凄いガン見してたよね?」

あぁアレね…

「何で?嫌なの?」

あの時は嬉しそうだったくせに…

そう思って聞き返したら
俺の声が不機嫌そうに聞こえたらしく

「え…あ…い、嫌ってわけじゃないけど…」

急に翔くんがオロオロする。

「そっか…ごめんね。
翔くんが嫌がってるなんて思いもしなかったから…
俺…翔くんが長い時間頑張って
疲れてるだろうから元気つけたくて…
嫌がってる事に全然気づかなかった…」

少し俯いて鼻をすする。

「ち、違うよっ!
い、嫌じゃなくって!」

「いいよ…
気を遣ってくれなくても…」

「そんなんじゃなくて!
俺、抑えらんなくってさ…
俺達の事って、一応内緒じゃん?
だからバレないように気をつけなきゃいけないのに
カメラ回ってるの分かってても
つい嬉しくなっちゃって…
顔がデレちゃうの我慢できないからさ…」

「……嫌じゃない?」

上目遣いで翔くんの顔を見る。

「嫌なわけないじゃん!
ってか、むしろ嬉しいっ!」

「ホントに?」

翔くんが 頭が吹っ飛んじゃいそうなくらい
何度も何度も大きく頷く。

「すっごく嬉しいんだけど
日本全国のお茶の間に俺の智くん愛を
お届けしたら やっぱマズいだろ?」

「そうだよね…
俺は翔くんの事が凄い好きだし
何ならバレても構わないって思ってるけど
翔くんはキャスターもやってるから
イメージが大切だもんね…
ごめんね…俺、考え無しで…」

正座して頭を下げる。

「あ…智くん…
俺、そんなつもりじゃ…」

「俺達…公に出来ない関係だもんね…」

膝の上で拳をギュッと握ると

「智くんっ!」

翔くんがガバッと抱きついてきた。

「ごめん!ごめんね…
俺も智くんの事 凄い好きだから…
ダダ漏れちゃうの我慢すんのが大変でさ…

そっか…

そうだよ…

内緒にしとくからいけないんだよ!
もう公表しよっ!
ねっ?俺達の事。
キャスターなんて辞めたって構わない!
智くんに辛い思いさせるくらいだったら
いつだって辞める覚悟はできてるんだ!」

俺を掻き抱いて慟哭する。



おいおい…

本気かよ…
悲劇のヒロインごっこ…くらいのつもりだったのに
ちょっと演技に熱が入りすぎちゃったか…

翔くん…本気で泣いてるし…

そろそろシャワー浴びて寝ようと思ってたのに
面白くなって煽ったら
面倒なことになっちまったな…

どうやって丸く収めるか…

………。


俺を抱きしめている翔くんの背中を優しく摩る。

「翔くん…
ありがとう…
その気持ちだけで充分だよ。
俺はキャスターやってる
カッコいい翔くんが好きだから
キャスター辞めるなんて言わないでよ…
ね?
ほら…涙と鼻水で
折角のイケメンが台無しじゃん。
洗ってあげるから一緒にシャワー浴びよ?」


翔くんの動きがピタリと止まる。





よし…収まったな。

さ!…シャワーに行こうぜ。


可愛い翔くん♡



☆*:.。. 終 .。.:*☆