☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





「キッチンも広いよ」

いつまでも寝室に佇んで
あれこれ妄想してそうな翔くんを促して
キッチンの中に入る。

キッチンの中って言っても
リビングと隔てる壁はなくて
カウンター型の流し台に立つと
ベランダまで視界が開けて
明るくて開放的だ。

流し台の後ろには作り付けの食器棚とカウンター。
さっきニノが言っていた小さな窓が付いていて
風が通り抜けて気持ちがいい。

「思ったよりも収納がたくさんあるんだね〜…」

翔くんが あちこちの扉をパタパタと
開け閉めして 意味もなく水を流す。

人工大理石のカウンタートップをひと撫ですると

「二人並んでも余裕だよね」

「…ぶっ!」

料理をしない翔くんが最もらしく言うから噴き出した。

「そう言うのは料理をする人が言うんだよ」

「あ!ひでぇ!」

「だってホントじゃん」

「そうだけどさ…
俺だって智くんには悪いと思ってんだよ…?
でもさ!ロスで少しは練習したから!
だからこれからは…」

「あはは…いいよ。
無理しなくたって。
出来る方がやればいいんだから…」

「洗い物はやるよ?ゴミ出しだって…」



所在無げにリビングの真ん中に突っ立っていたニノが

「あ〜…俺、そろそろ帰るから!
これ翔くんのカードキーね。
あと書類置いてくからハンコ押しといて」

話しに割り込んできて俺達を交互に見ると
呆れ顔でバインダーをカバンにしまいながら

「俺もさ…
新婚みたいな会話に付き合ってるほど
ヒマじゃないからさ…」

「「し、新婚って!」」

二人同時に叫ぶと
お互いに顔を見合わせて
なんとなく気まずくなって一歩ずつ左右に離れた。

「一応忠告しとくけどさ…」

…ん?

「外の吹き抜けって …
音が反響して筒抜けになるから
風呂場での会話とか気をつけろよ」

「な、何言ってっ!!!」

「あははは…」

慌てる俺と目ん玉を見開いてフリーズしている翔くんに
ニノが高笑いを残して帰って行った。