食事が終わって翔が食器を洗ってくれてる間に
シャワーを浴びる。

翔との生活も半年以上が過ぎて
なんとなく二人の生活パターンが出来てきて
俺がメシを作って翔が片付ける。
休みの日は二人で掃除をして
一緒に日用品の買い出し。

翔がテストの採点や教材の準備をしている横で
俺は絵を描いて過ごす。

なんて事のない
穏やかな生活…
なんの不安も心配も無かった…



でも……



髪を乾かしてリビングに戻ると
翔がビールを飲みながらテレビを見ていた。
俺に気づいて

「智も飲む?」

俺の為にビールを取りに行こうと腰を浮かせた翔に

「あ…いや…今日はいいや…
もぉ…寝るね…」

「そぉ?…じゃぁ俺ももう少ししたら寝るから…
おやすみ…」

「うん…おやすみ」


翔と一緒に暮らす前から使っていたセミダブルベッドで
壁に向かって身体を折り曲げるように横になっていると
戸締りを終えた翔が寝室に入ってきた。

腰掛けた翔の重みでマットが沈む。

「智…」

翔の手が俺の肩にかかって後ろから
身体を密着して抱きしめる。

「…ごめん……今日はちょっと…」

壁を向いたまま小さく呟くと
身体を起こした翔が

「どうしたの?具合悪い?
ビールも飲んでなかったし…」

「…ん。なんともないけど…
ちょっと疲れちゃって…」

「そっか…そうだよな…
今日は早朝から漁に行って
その後 授業だったしな…」

翔が俺の髪を撫でる。

「明日は休みだし…のんびりするといいよ」

「…ん。ゴメンな…」

「ば〜か…謝んなって…」

翔が俺の髪にキスをして

「おやすみ…」

俺を抱きしめたまま動かなくなったと思ったら
首筋に翔の寝息を感じた。