鼓動と呼吸が整うまで
汗ばんだ身体を重ねたままサトを感じていた。


「ずっと…俺だけのサトにしたかった」

腕の中のサトをギュッと抱きしめる。

「ずっと…ショーだけだよ…
今までも…これからも…」

「ホントに?」

「うん…」

「でも…その割には つれなかったよな…」

恨めしげに言うと

「だって……俺はショーが
誰かのモノになる前に諦めようって…
諦めた方が苦しくないって思ってたから…」

「諦めるって…
サトは…諦められるの?」

「うんん…無理だった…
諦めようって思えば思うほど苦しくなった。
だから会わない方がいいって…」

「俺がサト以外 好きになるわけないじゃん!
なのに全然気づかない上に諦めようだなんて…
サトって…結構バカ?」

「なにそれ…
でもマザーに言われたよ。
皆んな気づいてたって。
気づいてないのは俺だけだった…ってね」

「一生守ってくって…あんなにアピールしてたじゃん」

「あれがアピールだったんだ…」

呆れたように眉毛をハの字に下げたショーが

「他の事には鋭いサトが俺の気持ちに関しては
こんなに鈍感だったなんて知らなかったよ」

「悪かったよ…」

少し口を尖らせてるサトが急に幼く見えて
額に口づける。



一度サトの気持ちを確認したら
どんどん欲張りになる。

もっと…

もっとサトの熱い気持ちが知りたくて

「どのくらい?
どのくらい俺の事が好き?」

「どのくらいって…」

少し考えるように言葉を探したサトが

「俺の命にかえても…」

俺の目をまっすぐ見据えて言い切った。


サト…

いつも冷静なサトの中に
こんなにも熱い感情が隠されていたなんて…



俺も…

俺の命にかえてもサトを守っていく。


サトの想いを全て吸い尽くすように…

俺の全てをサトに注ぎ込むように口づけると



再び大きな波が…

俺達を飲み込んでいった…