「サト…ショーの事…頼んだよ?」

サトがショーの顔を見て微笑むと
俺の目を見て大きく頷いた。

「ずっと…離れません」

隣のショーが蕩けそうな顔でサトを見つめる。

おいおい…
ダラけた顔のショーに呆れながらも
幸せそうな二人に自然に顔がほころぶ。


「結婚おめでとう!
そっちは…お前達の時代は平和なの?
幸せ…なんだろ?」

「うん!心配ないよ…凄く穏やか…
俺達ね…子供を授かる許可も下りたんだ…」

「子供?」

「うん…俺達の子供…」

「…それって…?」

「俺達の遺伝子を組み合わせて
俺達二人の子供…
遺伝子操作はデリケートな問題だから
特別な審査が必要なんだけど…
この前許可が下りたんだ」

「ショーと…サトの子供…」

「もう少し先の話しだけどね。
まだサトの事…独り占めしてたいし…」

ショーがサトの腰を抱き寄せると
隣でサトが嬉しそうに微笑む。

「ショーとサトの子供だなんて…
なんか…孫が生まれるみたいな気分だな…」

「ははは…翔ちゃん…気が早いよ!」

「良かった…幸せそうで…」

「うん!
不満も…不安もないよ…
ただ一つ…メシが無い事以外はね!」

「相変わらず食い意地張ってんな…」

たった3週間だったのに…
こんなにも名残惜しい…

俺達の気持ちを振り切るように
ショーが明るく

「翔ちゃん…ありがとう!
そして大野さん…翔ちゃんを愛してくれてありがとう…
サトに逢わせてくれてありがとう。
元気でね!
みんなによろしく言っといて…
忘れないから…ずっと忘れないからね!
あ…机の上の写真…貰ったから…
じゃぁね…」

白い光が段々と力を失って
薄くなったショーとサトが手を振りながら消えていった…