……………

……………?

……………ん?

……………あれ…?



『0』って言ってから随分経つけど?

目を開けて周りを見てもさっきと変わらない…

力を入れていた両手を緩めて
智くんの背中をトントンってすると
智くんも少し身体を起こして
不思議そうな顔で俺を見る。

すると…

「いつまでも抱き合ってんじゃねーよ!」

呆れたようなショーの声に身体を起こすと

ニヤニヤしたショーと…
ニコニコしているサト…

抱き合って…?
ハッと我に返って弾かれたように離れると

「お…お前騙したなーーーっ!!!」

あはは…と大きな声で笑ったショーが

「翔ちゃん!良かったね!
それが大野さんの答えだよ。
自分の命よりも翔ちゃんの方が大事なんだって!」

「なっ!バカ言ってんなよ!あれはとっさに…」

慌ててそっぽを向いた智くんの耳の後ろが
紅く染まっていた。

智くん…

「ショー…サンキュ…」

んふふ…と笑ったショーが

「ぶつかれば扉は簡単に開くのに…
ウダウダして滝になんて打たれてっから
熱なんか出すんだろ!」

滝に打たれてって…

「な、なんでそれを…」

「昨日、データーを抽出する時に
翔ちゃんの頭ん中…見せてもらったから…」

俺の頭ん中…

それって…

あんな事や…そんな事…?
色んな事が頭の中をかけめぐって…
顔がボッと熱くなる。

そんな俺を見てニヤニヤしてるショーが

「翔ちゃんの気持ちは一目瞭然だし
大野さんは俺が揺さぶりかけてもピクリともしない…
それだけで俺は充分だったんだけど
やっぱりご先祖様には幸せになって貰いたいからな…」

「お前…ご先祖とか子孫なんて言うから誤解されんだろ…
紛らわしいんだよ!」

照れ隠しに声が大きくなる。

「じゃぁなんて言えばいい?…分身?」

「気持ち悪いわ!」

四人が一斉に笑って…

シン…となる…



そろそろ…別れの時…