「…知って…たの…?」

なんで?いつから?

「昨日…翔くんが熱でダウンして…
俺が…翔くんは無理だからライブは
四人でやろうって言ったんだ…」

え…?だって俺はちゃんと…

「そしたらショーが…
アレを出してきて俺が翔くんになるって…」

智くんが…
さっきの衝撃で床に転がっている
インプットギアに視線を移す

あ…アレはショーの…

「ライブが終わった後に…全部話してくれたよ。
300年先の未来から来たことも
翔くんの子孫だって事も…」

「だって…俺は…確かに所々記憶が曖昧なところは
あるけど、ちゃんと最後の言葉だって…」

「あれはショーなんだよ…
ショーの記憶を翔くんに移したんだ…
どれもこれも嘘みたいな話だけど
少なくとも俺達四人は信じたよ。
ショーの話しを…」

俺が覚えてる昨日のライブや最後の挨拶が
ショーの記憶?

そして…知られてしまった秘密…

俺の…子孫…




でも!

ショーだって言ってたじゃ無いか!
未来は変えられるって!

俯きかけた顔を上げて
気を取り直して正面から智くんを見つめる。

「確かにショーは未来から来た俺の子孫…
でもさ…過去は変えられないけど
未来は変えられるんだよ?
今、この瞬間にも未来は変化してるんだ。
そして未来は一つじゃない。
枝分かれしたそれぞれの道にそれぞれの未来があるんだよ!」

俺の気迫に一瞬怯んだ智くんが
俺から視線を逸らして力なく

「そんなの…分かんないじゃん…
未来がいくつもあるなんて…そんなの…」



その時突然…

床に転がっていたインプットギアが
白い光を放ち始めた。