「カズ……」

ハッとした顔をして一瞬俺を見て…
俯いたニノの耳が赤くなった。

遠い昔…
まだ一緒に電車に乗っていた頃にそう呼んでいた…
大チャンの事が好きなんだと気付いた時から
その呼び方を封印したんだと…今思い出したんだ。

カズ…そう呼んでた頃から…ずっと見てたんだ。

俯いてるカズを優しく抱きしめて

「カズ…一緒に暮らそ」

カズが俺の腕の中で、ふふふ…と笑って

「もぉほとんど一緒に暮らしてるみたいな
モンじゃないですか…」

「違うよ!プロポーズだよ!プ・ロ・ポーズ!」

カズが…
口も目も大きく開いて心底ビックリした顔で俺を見てる。
カズには最近ずっとビックリさせられっぱなしだったから
俺も少しは仕返ししてやんないとな!
ぐふふ…と笑ってみせる。

「アンタって…ホントにバカですよ…」

俯いて俺の胸におでこを当てて呟いたカズが
突然俺を見上げると
さっきとは違う…

熱くて甘い…キ…ス…

心も身体も熔けて一つになるような…

あぁ…俺…やっぱりカズには敵わないや…
きっとこれからもずっと…
こうやって振り回され続けるんだろうな…

怒ったり…
泣いたり…
笑ったり…

どのカズも…全部見てるよ。


そして…

「…マーくん…」

俺の腕の中で俺の名前を呼ぶ…

俺だけに甘えて…
俺だけに見せて…
俺しか知らないカズを沢山集めて…
俺達の時間を作ろう。

ずっと…ずっと一緒に歩いて行こう。


ね?カズ!

まぁ…くされ縁ですからね…

なんだよ~…それ!

はいはい!分かりましたよ…

カズーーーっ!大好きっ!

ちょっ…!声がデカイんですよ!

ぐふふ…

もぉ…

チュッ…♡



☆*:.。. 終 .。.:*☆