両手に包まれて、すっかりぬるくなった
ビールの缶を見つめて

「サトシくん…さ。正直な気持ち…教えてくれる?
俺は…サトシくんの事が好きだよ。
サトシくんは?…サトシくんは俺の事…好き?」

顔を上げてサトシくんの顔を正面から見る。

サトシくんがちょっとビックリした顔をして俺を見て
目を伏せて指先を見ながら

「好きだよ。ずっと前から…」

…サトシくん……
もぉその言葉だけで……

「サトシくんさ…
俺と付き合うとか、付き合わないとか
もぉ…考えなくてもいいよ。
俺はサトシくんが好きで…
サトシくんは俺の事が好きで…
それだけで…充分だよ。」

黙って俺の言葉を聞いていたサトシくんが

「俺さ…男だし…ショウくん、結婚して子供が欲しいって
言ってんのに、どっちも叶えてやれねーし…」

サトシくん…そんな事考えて…

「ごめん。俺、自分の事しか考えてなかった。」

「でもね、ニノに言われたんだ。
嵐の櫻井翔が女の人が相手だとしても容易く結婚なんて
出来るか!…ってね。」

えっ?…そりゃ…まぁ…
自分で言うのも何だけど…確かにそうだ…

「ショウくんが結婚して、子供が欲しくなったら
別れてやればいいって!
俺、それ聞いたらさ、先の事はその時になってから
考えればいいかなぁ…って気になってきた。」

エヘヘ…って笑うサトシくんを見て
俺も嬉しくて何度も何度も頷いた。