本気…なの?

「俺の事…好きだって言ったよね?」

「…うん。好きだよ。」

「じゃぁなんでっ!!!」

急激に…
猛烈に腹が立ってきて
身体ごと後ろを向いて、直接サトシくんを見る。

「やっぱりメンバーとして…だったって…事?!
特別じゃないって…気のせいだったって事?!」

「…そーじゃなくて…」

じゃぁ何っ!

俺の剣幕にビックリした様に目を伏せて

「今までみたいじゃダメ…なのかな…」

泣きそうな声で呟くサトシくんに…
何も言えなくなる。

「…ゴメン…大きな声出して…」

でも…

今までみたい?
言ってる言葉の意味がよく分からない……
思考回路が完全にショートして、どの引き出しを
開けたらいいのかさえ分からない。

「…俺は…ショウくんの笑顔を見ていられたら…
それだけで良かったんだ…
ショウくんが俺の事を好きだって…言ってくれた時…
あぁこれで…この先もずっとショウくんの笑顔を…
隣でずっと見てられる…そう思って嬉しかった。
でも…でも、ただそれで良かったんだ…」

ポツポツ言葉を探しながら話すサトシくんを
見ているうちに怒りの炎は消えて
炎が消えた後には…暗い闇が残されていた。

「上手く説明できなくてゴメン…ゴメンね」

何度も謝るサトシくんに、何か言ってあげなくちゃ……
思ってはいても…言葉が見つからない。