入り時間よりも少し早目に到着し
楽屋のドアを開けて首だけ突っ込むと
まず目に飛び込んで来たのが正面奥のソファーに
寝そべって雑誌を見ている…

サトシくん!!!

ほ、他には?誰が?
部屋の中をグルッと見渡しても誰もいない。

チャンスだ!!!

静かに部屋に滑り込むと

「サトシくん、早いんだね!」

サトシくんが雑誌から目をあげて

「あ!ショウくん…おはよう!」

眉毛を下げてニッコリする。

俺はサトシくんが寝そべってるソファーに
イソイソと近づいて…
サトシくんの足を避けて座る。

「今日さ…終わったら俺ン家来ない?
サトシくん明日オフでしょ?
俺ン家でさ…一緒に飲まない?」

「…ショウくんン家…で……?」


「おっ!いいねーーーっ!!!俺も行く~🎶」

えっ?なに?!

ソファーの背もたれと壁の隙間から松本が
ムックリ起き上がって顔を出す。

「な、な、なんだよ!
なんでそんなトコに隠れてんだよ!!!」

「隠れてねーし!
ここで腹筋やってたらショウさんが
入ってきたんじゃん!
…で?終わったらショウさんン家ね?」

その悪魔の様な笑顔……
お前の事なんて誘ってねーし!
背もたれから身を乗り出して、松本の耳元で

「お前……この前の事、まだ根に持ってっんだろっ!」

「なんの事かなぁ~…」

しらばっくれやがって!

「ね?いいよね~大野さん!
俺、明日は昼過ぎからだし~🎶
三人で一緒に飲も~よ!」