唯我独尊、独断専横というか、自己愛というか、恥ずかしくて言い淀んでしまう発言や要求も平然としてしまう兵庫県知事。四面楚歌の状況にもかかわらず、虚偽の説明をすると罰せられる百条委員会でも平気な顔で受け答えする彼のメンタルの強さは驚くばかり。その中で『仕事に対する取組み姿勢に問題があったので、厳しく指導した』という説明は何回も聴きました。そして、
という自己評価をしています。ウ~ン・・・この人、それほど仕事できるのでしょうか? 彼は、質問せず/疑問を抱かず/自分の言いなりになってくれる人が仕事の出来る人ということかもしれません。明石市長時代に知事と意見交換したことのある泉さんが『県知事になることそのものが目標の人』と評したように、知事になって県政をどう変えていきたいのかのビジョンがなく、単に全てにおいてひれ伏しを期待し、問答無用な従属を強いるわがままな育ち方をしてきた方なんでしょう。
総務官僚時代、あちこちの自治体に派遣されて経験を積んだそうですが、2008~2010年に派遣された佐渡市では、31歳の若さで企画財政課長、総合政策監。殿様扱いされて気分を良くしたことが今に至った根底になったのではないかという見方があります。さもありなんですが、何か具体的な成果を挙げての評価ではなく、官僚に経験を積ませるという位置づけの腰かけ管理職に何ができたのかは、推して知るべしでしょう。佐渡市役所では、『彼の機嫌を損ねてはいけない』ということで、『斎藤さんの機嫌をうかがう係』までいたということ。県庁で実施した職員アンケートに挙げられていたエレベータのボタンを押す係を配置したというのは多分本当なんでしょう。もっとも、知事が忖度を期待し、その期待に応えて昇進した牛タンクラブの4名の管理職がいましたが、告発文書がなかったら兵庫県庁の組織は北朝鮮のような状態になっていたことでしょう。
証拠が挙がっているものでも問題ないと強弁する斉藤知事には呆れますが、この様な人物になるとは知らず投票した85万人もの県民は、さぞかし驚いていることでしょう。選挙で選ばれて公職につく人物でも、この様に豹変する(地が出ただけ?)場合がありますが、この知事同様な姿勢で組織を仕切っている人はいます。それは、創業者一族が支配する民間企業、民間病院です。
今や2兆円を超える売り上げを誇るドンキホーテ、創業者(75歳)は次期社長含みで22歳になる長男(22歳)を役員に起用するというニュースがありました。最終的な判断は株主総会まで待つそうですが、創業社長の子息とはいえ、実績ゼロの人物をと思うのが普通です。昨年大きな騒動となったビッグモーターでは、副社長を務めていた創業者の息子による社員らへの度重なるパワハラ行為が取沙汰されたましたが、ミツバチで有名な山田養蜂場では、創業家で現社長の次男が、入浴施設での盗撮容疑で逮捕されるなど、いわゆる“ボンクラ息子”による愚行で家業が傾くといった事態が続出しました。最近の話では、紅麹サプリメントによる健康被害が続出した小林製薬も典型的な同族企業です。創業家中心の同族企業は、好調な時は一枚岩になって強く回るものの、回り方が逆になると負の面が大きくなり、傷を深くします。県庁の牛タンクラブのメンバ同様、権威に忖度しつつ、虎の威を借る狐的振る舞いをする皆さんが、その負の面を広げ、深くしたと思います。
病院はどうでしょう。病院は医師を頂点とするピラミッド構造で上意下達体質ですが、これが創業者一族が仕切る民間病院となると、兵庫県知事並みとは言わないまでも、兵庫県庁と同じ様なことを日常茶飯事で起きることを身近に見てきました。特に、良い条件での就労先が少ない地方においては、その傾向がありました。創業者一族に忖度することで、有利な計らいを受ける(受けたい)という人がスタッフの中にいましたが、忖度に徹する虎の威を借る狐的振る舞いの召使的お付きの人たちです。
『~がこう言っている』という言い方で他のスタッフに指示していましたが、創業者の意向を伝える伝令でした。伝える際に、自分の意向を織り交ぜるという狡猾な面もあったその伝令の評判は芳しくなく、私のプロジェクトへの参加希望がありましたが、皆さんの意向で断りました。
もちろん一番のワルはトップですが、虎の威を借る狐的振る舞いの人たち(=腰巾着)は、ずる賢いという点では、トップを上回るでしょう。歴史と伝統を誇る大企業でも、昇進目覚ましい人にくっついてご機嫌をとる皆さんがいましたが、仕事ぶり、成果でアピールするのではなく、覚えめでたさを競いあっている様は、技術の✖✖、人の✖✖を謳っていたその組織とは相容れないものだったことを思い出します。
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