ダイハツの不正は、ダイハツ本体だけではダイハツに部品を納入している協力会社にも及び、国交省は3車種の型式指定を取り消すまでになり、ダイハツは経営危機どころか存亡の危機に瀕しています。ブログネタのフォルダを探してみたら、昨年の4月にも側面衝突試験で良いデータにするために、仕様にない補強材を加えてテストしていたと報じられていた記事が見つかりました。

この話を尊敬する日立時代の先輩にしたところ、返信にこんなことが書いてありました(原文のまま)。

~~~ここから~~~

学生時代、ある会社に実習に行った友達が、そこで顧客立ち会いの性能試験で、

空気圧力を測る水柱マノメータにアルコールを混ぜ、 見かけの圧力を高くごま

かしていたと言っていたのを思い出しました。 まあ、世の中に不正の種は尽き

まじ、ということですかね。

~~~ここまで~~~

これを見ると、今から52年前に院生だった先輩の時代から、この様なことがあったと想像されます。しかし、高品質で日本製というだけで中古市場でも高値で取引される日本車はじめ日本製品が、こんないい加減な環境で作られていたとは思いたくありません。実習に行ったその会社は大したところではなかったか?いや、その逆!先輩が在籍していたのは天下の東大。そこの院生が入社しようとするような名の通った大企業。そこで、上述のような所業が行われていたとは!時代は変わっても先輩のいうように『世に不正の種は尽きまじ』・・・

 

話しが少し横道にそれました。タイトルに沿った話に戻します。

昨年は、日大アメフト部のタックル事件、大麻事件はじめ、ジャニーズ、宝塚などで歴史と伝統を誇り、その領域で一目を置かれる組織で問題が続発しました。栄光の影に隠れていた問題が明るみにでましたが、どうして長年に亘って隠し通せたのでしょう。組織の内部では、ほとんど自浄作用が働かなかったということですが、大きな組織ほど自浄作用が働かないどころか、関係者には因果を含めて口裏を合わせるよう仕向けるという積極的な隠蔽工作をするのが一般的です。告発者に人事考課を仄めかしたり、インセンティブを与えて黙らせる、金銭的な示談で終わらせるなど、組織を守るために様々な手段を講じるのは珍しくないこと。宝塚の陰惨ないじめ自殺事件では、公正なはずの第三者委員会が、宝塚に関係ある弁護士事務所のメンバで構成され、調査結果は『いじめはなかった』という結論先にありきの調査!組織防衛のためには、なりふり構わずやってのけるという体質であることがわかります。どの組織も、問題発覚当初は事態を矮小化し、収束できると高をくくっていた様子が見えます。しかし、今は情報発信の手段が多様化し、証拠能力の高い録音、録画が手軽にできるようになっていることが圧力をかけて隠ぺいできた昔と違うところです。

しかし、宝塚、ジャニーズのような実績ある芸能芸術系や、何回も日本一になった実績を持つ日大アメフトに所属することができなくなると、活躍するための別の環境が見つけにくい場合もあります。夢が断たれるより、我慢したり忖度したりせざるを得ない雰囲気になり、結果的に見て見ぬふりをする、口裏を合わせる、説得に応じることになり、『指摘のことはなかったが、疑われないように指導監督する』という謝罪の常套句で玉虫色の声明を出すことなります。

しかし、証拠となるメールや画像などが次々と週刊誌はじめメディアに簡単に持ち込まれる時代になっていることを忘れていると、説明できない状況に追い込まれ、遂には認めざるを得ないところまで追い込まれる羽目になります。組織を守りたい一心で隠ぺいを図ってきた関係者は『組織の解体的出直し』という最悪の事態に直面します。ここに至って、事態の深刻さに気付いても時既に遅しです。

 

今、松本人志が文春砲に過去を暴かれて苦境に立っています。所属する芸人、タレント約6千人を擁し、メディアに睨みを利かせることができるる吉本は、組織としての被害を最小限にするための工作をしていると思います。しかし、SNSに残っていて消せない被害に遭った、遭いそうになった女性の具体的な発言が次々明らかになりつつある今、ジャニーズ事務所がそうであったように、全面降伏になりかねません。

 

組織を守るために事実と知りつつウソをつき、白を切り続けることで、ダイハツが存亡の危機になり、ジャニーズが全面降伏しましたが、松本人志事件に端を発した同種の事件を抱える吉本も、『戦います』などと強がりを言っている松本人志に引導を渡すくらいでないと、吉本という組織を守ることはできないと思います。

 

隠蔽体質は、医療ミスを起こした際の病院も同じですが、これについては別途ブログの題材にする予定です。

 

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