その時起きている話題を経験に照らして書いてきたコラム、ブログですが、最初は千回を、次に2千回を目指して書いてきました。今日は、ホームページに書いていた804回続いたコラム&Amebaのブログに切り替えて書いてきた1196回の合計2千回目の記念すべきブログ。アクセス履歴を見ると過去に書いたものが読まれることが多いのが私のブログの特徴ですが、おそらく検索で引っかかっているのでしょう、少しはお役に立てていれば幸いです。さて、今日のブログです。

 

『前向きに検討する』は役人用語の典型。岸田首相も『検討します』が口ぐせで検討使と揶揄されていますが、安倍元首相を筆頭にはじめの歴代首相の口癖に、
①丁寧に説明する
②しっかりと説明する
③真摯に対応する
④謙虚に反省する
⑤緊張感を以て職務にあたる

などがあります。しかし、その通りになっていないどころか、言葉の意味が分かっているのか疑問に思うことがほとんどです。理解に苦しむ居直りに近い発言もあり、驚くというか呆れることがあります。

これに触発されたのか相手を納得させるだけの情報がないのか、官房長官はじめ並み居る大臣も同じような言葉遣いをします。これでは国民は信用しないし、選挙結果にも表れることがあります。落選者の反省の弁でも同じ様な発言は繰り返されることが多々ありますが・・・

 

一方、国政という大きなプロジェクトを牽引する政治家ではなく、プロジェクトを推進するリーダの場合はどうでしょう。大小問わず様々なプロジェクトを率いてきた経験がある方は、上述のは言葉通り実践して当たり前のことで、これなくしてはプロジェクトメンバの信頼は得られないことを知っています。そもそも、説明とはなんでしょう?一言で言えば、強制することなく、また誤解されることなく、意図したことが相手に伝わるということで、持論を一方的に話す(主張する)ことではありません。安倍さんた菅さんのように『理解出来ない(したくない)あなたが悪い』という発想を以て臨んでは説明にはなりません。そもそも、質問の主旨に沿った答弁ではなく、主旨をすり替え、聞かれていないことを長々と回答(説明)したうえに詭弁を弄するのでは話になりません。これでは国政という巨大プロジェクトをマネージすることはできず、そのリーダを任せることはできません。

 

では、どう説明すればいいのでしょう?そもそも説得、納得との違いはなんでしょう?簡単に言えば、説得は理解の強制、納得は自主的理解ですが、複数の業界業種、質的な艱難、量的な規模の大小を取り交ぜ、多くのプロジェクトリーダを経験して中で言えるのは、説明とは以下の条件を満たさなければならないということだと考えています。

➀押しつけない
②理解を強制しない
③権威を背景にしない
④説得(他動的理解)ではなく、納得(能動的理解)してもらう
⑤説明したことが誤解なく理解されているかを確認する

とは異質ですが、とても重要です。相手が本当に理解しているかを確認するには、理解していたら答えられる質問をする方法で行います。これによって『分かりました』という者が、いい加減に返事をしているのか、きちんと理解したうえでの返事かを確かめます。これと同じことをやるのがヒアリングです。業務分析をする際、仕様を作る際、現場を観察し、聞き取りしますが、その結果をドキュメントに纏め、『聞き出したことは、これで間違いないか』をヒアリング先に説明して確認します。もちろん押しつけではなく、齟齬があれば適宜修正して業務分析、仕様作成に必要な十分な量と質の情報を確定します。また、説明に際しては、以下のような心構えと実践が求められます。
・都合の良い部分だけではなく公平な根拠を示す
・定量的なデータを示す
・分かり易い表現(言い回し、書き方)を心がける
・適宜図解する

俺様の言うことを聞け!の上意下達は論外ですが、面倒臭がっていてはとてもできないことです。簡単に『説明を』と言いますが、述べてきたように心して取り組まなければならないことです。説明とは押し付けではないことを理解すべきで、政府関係者、官僚の皆さんはもちろん、独断専横になりがちな創業者が仕切る会社、病院関係者は特にそう願いたいものです。

 

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