ボランティアで障碍者の方が飼っている老犬の面倒を看ていましたが、手袋をせずに触っていたところ、体中が痒くなってきました。そのうち、手にダニが落ちてきてのを見て、ひょっとしたらと思い老犬を調べたところ、あちこちにダニを発見!ただちに洗ったのち、ダニ除去剤をつけ一掃しましたが、どうやら痒いのはその影響のようでした。市販の痒み止め薬(ウナコーワ)を使っていましたが、一時的に痒みは軽減するものの、また痒くなるの繰り返し。数週間経っても治らず、皮膚科を受診したところダニ由来かもしれないが、一般的な痒み治療をするとのこと。痒みは一種のアレルギ反応とのことで、その原因となるヒスタミンなどの関係する物質の生成やその働きを抑える作用の内服薬と、皮膚の赤み、腫れ、痒みなどの症状を改善するステロイドの塗り薬を処方してもらいました。一時的にせよ塗ったその場で痒みが消える市販薬に対し、服用したり、塗ってもその時には何も変わらない医療機関の処方薬。この違いはなんでしょう?

熱が出れば解熱剤、お腹を壊せば胃腸薬のようにその場の症状を抑えつつ、人間本来が持っている免疫力(俗にいう自然治癒力)を以って回復を待つという市販薬の対処療法的使い方と、原因となっている要因を推定してこれを取り除き、症状を改善し回復につなげるという根治治療の医療機関処方薬との性格(目的)の違いと言えるのではないかと思いました。ここで一つヒラメキきました。それは意識改革、組織改革、業務改革、改善などに通じるのではないかということです。前置きが長くなりましたが、それを今日のブログに取り上げます。

 

組織にアウトロー的な人物がいて、これが結構なワル。周りに悪影響を与え、組織を腐らせる場合があります。意外にも仕事ができ、管理層も手を焼いているという場合もあります。一言居士とは、何かにつけて言いわなければ気がすまず、必ず、一言口を挟まずにはいられない人のことですが、それとも違います。自分の好きなようにやりたい、指示は受けたくないというおよそ組織で仕事をする企業では務まらないタイプの人間です。大企業にもいますが、多いのは中小中堅企業です。オレがいないと会社が止まると豪語し、その様な意識を持っている者さえいます。これが牢名主化して下位の者を強引に取り纏め、徒党を組むようになって経営者と対峙することもあります。
 

どうしてそのような者を採用し、育ってしまったのか?対処療法的にその人一人を放り出せば済むのか、放り出してもサメの歯のように次の歯が出てきて同じことになってしまうのか?そのような雰囲気になってしまった原因を突き止め改善改革するというのが根治治療に相当するということです。ベテランというその者の持っている有形無形なノウハウや暗黙知が本当に得難い貴重なもので、当該企業になくてはならないものなのかも検証します。そうだった時、どうしてサブを育ててこなかったのかもの経緯も調べます。もちろん、この様な特異な立場にいる者だけではなく、社員全員についてのスキルの棚卸も必要です。その前に、当該企業にとって必要なスキルはなにか、当該企業が市場で評価されている技術はなにかについて調べ上げるのはいうまでもありません。これらが基礎情報になります。それが集まってきたところで全社員につき、現状スキル管理表を作り、マルチタレントにすべきコア・コンピタンスになっているスキル、それを誰にやらせるかを決め、教育訓練法を決め、実行します。同じことを関係している外注先にも行います。どこの業者に何を委託しているのか、それは技術、品質、コスト、納品実績においてふさわしいのかなどもきっちり調べます。過去の何十年ものしがらみがある外注先の棚卸しもやることになりますが、企業が生まれ変わり、生き残り、発展するためには、理路整然とした必然性を以て臨み、私情を入れてはいけません。これに関しては、長年納入業者と付き合いのあった事務部門との癒着を解決した長野県松本市の相澤病院が好例です。この改革劇はテレビ東京の連続ドラマにもなりました。

 

対処療法的に目先の改善、改革を図っても、その様な者を作り上げた土壌の土を入れ替え、肥料を変え、手入れの方法を変えないと同じ作物が育ってしまいます。それを治すのが根治治療です。該当する会社はアチコチあると思います。

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※本ブログの内容を自分の経験であるかの様に話す方がいるようですが、おやめください。