国の暫定評価によって最悪の「レベル7」となった福島第1原発事故。風評被害に苦しむ福島県内の観光業界への影響は必至で、関係者からは「まったく見通しが立たない状態」「次の一歩が踏み出せない」と悲鳴が上がる。
 第1原発から遠く離れた会津若松市の東山温泉。放射線量はわずかだが、震災後は3、4カ月先までキャンセルが出た。各旅館は現在、浜通り地方からの避難者を受け入れる。
 会津東山温泉観光協会の職員は「レベル7の具体的な影響はまだ分からない。だが既に原発事故イコール福島というイメージになっている」と嘆く。
 「震災から1カ月が過ぎたが、業界全体で見通しが立っていない」と言うのはバスツアーを手掛ける福島交通観光(福島市)の担当者。福島市の花の名所「花見山」は各種イベントが中止になり、追い打ちをかけるような暫定評価の発表に「こんな状況ではどれだけの人出になるのか。皆目分からない」と頭を抱える。
 県は2012年度、県内全体で大型観光キャンペーンを実施する予定だったが、その事前PRも震災と原発事故により手つかずのまま。
 県観光物産交流協会の吾妻嘉博総合企画担当部長は「原発事故が収束しないことには、観光業界も次の一歩が踏み出せない。同じ被災地でも岩手や宮城県と異なり、原発事故が重くのしかかっている」と話す。(熊谷吉信)

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 魅力的な体験型地域イベントを集めた春の別府八湯温泉泊覧会(ハットウ・オンパク)は5月6~29日、別府市を主会場に開催される。イベントは過去最高の154種(延べ769回)。男性にも楽しんでもらおうと、今回はイクメン・イケメン男性9人で作る「チーム男」が練り上げた男性向けイベントも数多く準備した。
 カップルで鉄輪温泉に出かけ、男性は地獄蒸し料理づくり、女性はタイのダンス練習をした後に料理を楽しむ「たまには、彼女の接待日」(29日午後4時半、ペア3500円、材料費別)▽キャンドル作りやピザの石窯焼き体験などができる「とろけるメローな夜をあなたと」(15日午後6時、4000円、食事代・キャンドル代込み)--など、「チーム男」企画のプランは18種類。
 その他にも、とり天や冷麺の歴史を学びテイスティングできる「秘密養成セミナー」(21日午後1時半、1500円、とり天のおやつ付き)▽「九州の関ケ原」と呼ばれた石垣原の戦い(1600年)ゆかりの土地を訪ね歩く「戦国ロマンツアー」(8日10時、2500円)--などがある。
 ガイドブックは市観光協会別府駅案内所などで配布。予約は4月14日午前9時から。電話(0977・22・0401、23・6306)かインターネット(http://www.onpaku.jp)でオンパク・ジャパン事務局へ。
  ◇   ◇
 オンパクのノウハウを生かしたイベントに取り組む福島県いわき市の「いわきフラオンパク」と、宮城県栗原市の「くりはら博覧会」の実行委や住民らに、東日本大震災からの復興を願って励ましの言葉を送ろうと、ハットウ・オンパク事務局は今回のガイドブックにカードを挟んで配布し、メッセージを集める。
 両市では大震災発生時、“オンパク”を開催中だったが、残りのイベントは中止された。はがき部分を切り取って50円切手を張り、裏面にメッセージを書き込んでオンパク・ジャパン事務局に送る。【祝部幹雄】

4月12日朝刊

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 政府は12日、東京電力福島第1原発1~3号機の事故を、国際的な原子力事故の評価尺度で最悪の「レベル7」と暫定評価した。レベル7は、過去には旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)しか例がない。人類史上に残る深刻な事故に肩を並べた「フクシマ」のニュースは世界を駆け巡った。だが、チェルノブイリと福島第1とでは、原子炉の構造や事故の様相に大きな違いが指摘されている。【中西拓司、奥山智己、須田桃子】

 ◇「同列」に戸惑いも

 「福島では急性の大量被ばくは発生していない。原子炉圧力容器は原形をとどめて働いており、放出された放射性物質は10分の1。チェルノブイリとはまったく異なる」

 12日、会見でレベル7への評価引き上げを発表した経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は、チェルノブイリとの違いを強調した。

 チェルノブイリ原発は、日本の原発とは構造が異なる。炉内に燃えやすい黒鉛を使用し、放射性物質を封じ込める原子炉格納容器がない。事故では、出力が急上昇して原子炉や建物が水蒸気爆発によって吹き飛び、黒鉛火災が発生して大量の放射性物質が放出された。

 石川迪夫(みちお)・日本原子力技術協会最高顧問(原子力工学)は「火災と核燃料の崩壊熱で約2800度の高温状態が4、5日続き、ウランやプルトニウムなどあらゆる種類の放射性物質が蒸発して放出された。福島はある程度冷却されているので、揮発性の高いヨウ素などしか出ていない。個人的にはレベル6だと思う」と話す。

 宮崎慶次・大阪大名誉教授(同)は「(急性被ばくによる死者が出た)チェルノブイリと同列に扱われることについては戸惑いもある」としながらも、「チェルノブイリの事故は1基だったのに対し、今回は1~3号機に加え、核燃料プールなども損傷する複合事故だったことがレベル引き上げにつながった」と見る。

 一方、医療放射線防護連絡協議会の菊地透・総務理事は「事故当初、保安院は評価をレベル4から5に引き上げたが、海外の受け止めは当時からレベル7だった。こうした過小評価が対応の遅れにつながった面もある」と指摘する。

 ◇依然、大量放出の恐れ

 今回の暫定評価は大気中の放射性物質の推定放出量に基づいたもので、海洋や土壌への放出量は含んでいない。政府が公表した37万~63万テラベクレルという放射性物質の放出量について、東電は「元々あった燃料の1%程度」と見ている。菊地さんは「1950年代以降に米ソなどが実施した大気圏内核実験による汚染に比べれば、わずかなレベルだ」との見解だ。

 チェルノブイリでは百数十人の職員や消防士が高線量の被ばくによる急性放射線障害を起こし、周辺住民約500万人のうち、事故当時子どもだった6000人以上が後に甲状腺がんになった。国際機関の正式な報告では、これ以外の放射線による健康影響は認められていない。

 佐々木康人・日本アイソトープ協会常務理事は「福島の場合、(原子炉自体が爆発した)チェルノブイリより爆発の規模が小さく、放出された放射性物質の量も少なかったため、環境汚染の範囲は狭く、程度も低い」という。将来のがんの増加の懸念についても、「目に見えて増える事態は考えにくい」と否定的だ。

 佐々木さんは「今後の健康リスクを予測するためにも、住民の被ばく線量を調べることは大事。事故後の住民の行動を記録しておくべきだ」と提案する。

 一方、チェルノブイリ原発事故が約10日でほぼ収束したのに対し、福島第1原発事故は1カ月が経過しても、放射性物質の放出が続き、収束のめどが立っていない。

 東電の試算によると、事故がなければ4月11日時点で1~3号機の炉内と使用済み核燃料プールに残った放射性物質の総量は約8500万テラベクレルと見積もられていた。保安院は「今回の事故で炉内にあった放射性物質の約1%が放出された」とみている。仮に1~3号機の放射性物質がすべて放出されると、チェルノブイリの十数倍に上る。

 石川さんは「これまでの地震や事故で、原子炉が壊れて手薄になっている状態なので、何が起こるか分からない状況になっている。余震で原子炉圧力容器の底が抜けるようなことがあれば、内部の放射性物質が大量に出てくる事態も考えられる」と指摘する。

 各原子炉では高線量の汚染水や、度重なる余震により、原子炉内の冷却作業が思うように進まない。石川さんは「冷却水を循環させ、今より強く核燃料を冷やす必要がある。なるべく放射性物質を固体にし、外に漏れにくくしなければならない」と話している。

 【ことば】テラベクレル

 ベクレルは放射線を出す能力(放射能)の強さを表す単位。テラは「1兆倍」を表す。1テラベクレルとは、1秒間に1兆回の原子核崩壊が起きる際の放射能の強さを示す。標準的なラドン温泉1トンが持つ放射能は約1000万ベクレル。一方、シーベルトは放射線の人体への影響を示すもので、1ベクレルの放射性ヨウ素を経口摂取した場合の人体への影響は、0.022マイクロシーベルトとなる。

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