東日本大震災で激減した北海道への外国人観光客を呼び戻そうと、中華航空(台湾)と旅行会社が10~13日の日程で、台湾のメディア関係者を視察旅行に招いた。北海道の安心・安全をPRするのが狙いで、視察団からも「北海道には(放射能漏れ事故の)心配がないことが分かった」との声が聞かれた。

 一行は登別温泉、函館朝市、小樽運河などの観光地を巡り、最終日の13日は札幌の大通公園や円山地区を取材を兼ねて視察。円山公園に隣接する北海道神宮では、絵馬に「日本加油(頑張れ)!」と書いて被災地を激励した。

 中華航空の新千歳-台北便は震災後、1日1便の運航が週2便に減り、それでも乗客が集まらない状態が続いている。台湾での懸念が強いのが、福島第1原発の放射能漏れ事故の影響で、東森テレビの李宗芳記者は「北海道に影響がないことが分かったが、観光客の心配な気持ちをどう解消するかが課題。水産物は人気が高いので、海水のモニタリング調査の結果が気になる」と話していた。

 今回の視察について、中華航空台北支社の李宜洲営業部長は「台湾のメディアに正しい状況を見てほしかった。人気のある5月の花見時期は予約が増えつつあり、今後回復してほしい」と期待を込める。震災前に毎月約1000人のツアーを組んでいたという旅行会社「五福」の林雪嬌副社長(56)は「震災前と同じで問題はない。帰国後、北海道の安全をPRしたい」と語った。【片平知宏】

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