◇「建物を見てほっと」
 東日本大震災で被災した宮城県石巻市の4世帯8人が12日夕方、一時避難のために秋田市の温泉旅館「秋田温泉さとみ」に到着した。他県から県に要請があった被災者受け入れは初めて。
 8人は石巻市門脇町の町内会のメンバーで、うち6人が60歳以上。震災後、石巻市内の法務局支局に避難していた。
 一行は県が用意したバスで同日昼過ぎに石巻市を出発した。町内会婦人部長の主婦、高橋さよ子さん(61)は以前同旅館に来たことがあるといい「建物を見てほっとした。みんなにゆっくりして心も体もリフレッシュしてもらいたい」と話した。仮設住宅に入居可能になるまで滞在予定だという。
 高橋さんによると、町は津波被害で家屋などが倒壊し、がれきの山に。妻が見つからないなどの理由で避難所から離れようとしない人もいるという。高橋さんは「来たくても来られず、休みたくても休めない人もいる」と涙を浮かべた。
 県被災者受入支援チームによると、3月下旬に佐竹敬久知事が宮城県側に避難者の受け入れ意向を伝えていた。同県名取市からの要望もあり、県は5回にわたり計約300人を東成瀬村の3カ所の温泉宿泊施設に受け入れる。うち63人が13日に到着した。【坂本太郎】

4月14日朝刊

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