今日は就活を終えた23卒(4年生)の集い。参加者一人一人が「まわりに訊いてみたいこと」を出し合い、一つずつ丁寧に対話をしていった。自己紹介を丁寧に行ったり、対話のテーマを徐々に大きく広くしていくプログラムが功を奏したか、とても興味深い話が山ほど出ていた。

一見、フランクなテーマに思えるものでも、一人一人が話し始めると、それに付随する自分のストーリーを話したくなる。初対面の人ばかりだったけれど、こうした時間を過ごせたのは参加者の意欲のおかげでもある。不安なのは一人じゃないんだと分かったり、何とかなりそうだなと思えたり、明日からこれを取り組んでみようという具体的なものが浮かんできたり。キャリアの専門家として10年以上大学生にかかわっている自分も「むむむ、なるほど!」とうなってしまう本質的な話が出てきていた。いやあ、面白い。

 

就活を終えた大学4年生に注目することは正直少ない。大学のキャリアセンターにいても、4年生のため、というよりも、「これから支援が必要な3年生のため」に協力してほしいという文脈で4年生に声を掛けることがほとんどだ。いわば、大学内の就活支援という文脈では主役ではない立場。

 

自分は裏に影に、目立たない方向に目が向いてしまう。グループで目立っている人よりも、グループで座っていた椅子を黙って直す人に目が行く。びしっとしたスーツを着て決めている人よりも、エレベーターの手すりやトイレ掃除をしてくれる人にありがとうと言いたい。注目されるプロ野球選手よりも、その活躍を支えるグラウンドキーパーを応援したくなる。

そんなところもあるからか、キャリアという点で注目されづらい大学4年生に目が行くのだ。そして、自分は知っている。注目されづらいからといって、内定が決まったからといって、安心している人は少ないこと。逆に決まったからこそなにか動いてみたい、と考えている人が多いこと。

それが大学を超えて、企業や業界を超えて集まり、コミュニティとなって毎月集まることで何か面白いものが生まれるのではないかと思っている。

 

これは、昨年の大学4年生へのかかわりを8月からオンラインで続けていて、今社会人1年目になっても、リアルの場で一緒に会うところもまでつながっていることで、それが核心に変わりつつある。

 

裏に、影に、目立たない方向へ。人数が少ない方がむしろ面白い。

注目されないからかかわりたいし、そのニーズにこたえることで今までにないものが生まれてくる。地味だと思われるかもしれないけれど、この活動は続けていきたい。地味、はボクにとって結構うれしい誉め言葉。

7月下旬の2回目も楽しみ。