今日は休みだから、もう最後まで書いてしまう。演奏会の後は数日程度は反芻しながら余韻を楽しむもので、想い出とできるし自己研鑽の動機になる。またオーケストラはもう来ないしな。   

 作曲家の山本さん。黒鍵のための桜。散りばめられた桜吹雪が舞う春の日である。谷崎潤一郎がやまと言葉で描いた日本文学の世界のようなイメージが浮かぶのだ。詩人は言葉で、作曲家は音による曲で表現してくる。歌詞があるものなら、口ずさむように曲は紡げても、曲だけでの表現は別次元の才能と修練がいるだろう。以前市民オーケストラで曲を聴いたことがあり、弦楽器、打楽器、木金管楽器の音をハーモナイズする能力の凄さを持ちあわている方である。頭で全ての楽器の音を鳴らし組み合わせて曲に描ききれるのだろうな。クラシックファンとしてはオケの曲を所望します。まぁ別次元のかたでユーフォニアムも協奏の如くリードしていたな、こんな曲のあるのだと。

 そのユーフォニアムの成迫さんの演奏。以前に一度聴かせてもらった時から曲としてきちっと吹いていた。それにしてもこの新しい、そして難しい楽器なんだろう。吹奏楽の人たちは大概オナラ的であり、あーあと。それがこの方は楽器として奏でている、それだけでも全国レベルなんだろうと。ところが今回は音色が少し変わっていた。音が下から上に持ち上がるように深みが響いてでていたのだ。こんな音のでる楽器なんだと思わされた。すごいな、まさにパイオニアの一人で、将来が嘱望されるてるだろうなと思った。

 なんか最後まで書いてしまった、楽しかったな。またやらないかな。函館の沈没して消えゆくクラシック音楽に一閃の希望であった。こういう演奏会を自分たちだけでやりとおすなんてすごい人たちだな、代表というより裏方であったのだろうな、名伯楽となった伊藤亜希子さんに感謝せざるをえない。