病葉流れて


友人から仕事が終わると、よく電話が掛かってくる。


友人の話の内容は、昨日のパチンコ(パチスロ)の結果と立ち回りの反省。


それと、その日のナイト競輪で面白そうなレースがあるか?どういう賭け方なベストか?という話。


いつものごとくそんな話をして、電話を切った後に、ふと思い出した『捲り眩られ降り振られ』という競輪エッセイのような本。


数年前、図書館で唯一競輪のことが書かれいる本があって借りて読んだ。


競輪狂の作家、白川道さんが、色々な作家と競輪に行ったときのことが書かれている本なのですが、とても面白く印象に残っていました。


ネットで、その本のことを調べると、白川道の他の本が何冊か出てきました。


へぇー

けっこう小説出しているんだね。


ギャンブル系の本では、薦めている人が多く、ブログで感想を書いてる記事を読んだら、無性に自分も読んでみたくなりました。


「海千山千の登場人物が持論を主人公に言っているセリフが良い」と、抜粋して紹介されています。


その例。

『わたしの勘に狂いはなかった。あなたは私と同種の人間よ』
『同種の人間?』
『そう、退屈と平穏が一番嫌いな、そういう人間』

『アルバイト?バカなこといわないで。アルバイトなんかで汗水垂らして働いて返そうなんていうんだったら貸しはしないわ。・・・・・・いいこと、覚えていて。博打事に興味があるんだったら働くことになんて時間を使っちゃダメ。働くことに興味があるんだったら博打事に手を出しちゃダメ。両方を中途半端にやる男だけが、この世の中から居場所を失うのよ。』

『男はね、毀(こわ)れようとするぎりぎりのときが、一番男の匂いを発するのよ。わかる?』
『毀れてしまった男には魅力がない。まっとうな男はもっと魅力がない。女は媚を売っても生きられる動物だけど、男が媚を売っていきるようになったらおしまい。ねえ、坊や・・・・毀れるか、毀れないか、そのギリギリで生きる生き方を、おし・・・・』

『見込んだとおりの、ロクでなしね。壊れる早さも、壊れかたも申し分ないわ』

『人生はただ飯を食らい眠ることができればいい、というものじゃない。明かりで照らされた道を歩んでいるときより、真っ暗ななかで、はるか彼方のちっぽけな明かりを目指して歩んでいるときのほうが生きてる実感を得られる。』


こんな感じ。


痺れますね。


これに痺れる俺も、かなりイカれちゃってます。


ほぼ実体験とも思えるギャンブルに取り憑かれた若者が壊れていく様、読みたい。


というわけで、借りてきましたよ。図書館行って。


わりと白川さんの本は置いてあったのに、1番読みたかった『病葉流れて』はなく、短編の「車券師」が載っている『十二月のひまわり』と『朽ちた花びらー病葉流れて2ー』を借りてきました。



もう大分読んだけど、感想はまた書きます。


こういうの読んでると、勝負事で自分に足りないものがよくわかる。




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