『HUNTER×HUNTER』のキメラ=アント編が30巻でついに完結しました。



長期休止もあってとにかく長かった。



冨樫義博さんの漫画は、面白いですねぇ


キャラ設定は上手いし、何よりストーリーは、驚くほど細かい所までよく考えられています。



それでいて考えさせられる謎な部分も多いし、視点はセオリー無視で敵視点が多かったり…



自分はコミックでしか読まなく、最新巻が発売されたら、前の巻から戻って読むといった感じですが、ジャンプで読んでいたら

「なんなの?この回は?」

ってことも多そうな漫画です。


これほど長い間続けた壮大なキメラ=アント編の話を、どう終わらせるのか、とても興味がありました。



会長の選挙はおまけとして、終わり方も想像を越えたものでしたが、個人的には良い終わり方で大満足。



王とコムギのラストは、漫画でありながら、4ページも、ほんの少しセリフのみという斬新さ…



そこでの会話も凄く良かったし、黒塗りのシンプルな台詞のみページが続いたので、2ページぶち抜きの王のラストシーンが生きました。



宮殿にゴン達が潜入するあたりは、もっとも面白いとこなのに、王とコムギの軍儀を

「ここまで長く書いちゃうの?」

と不思議でしたが、これで納得。



8年間、やきもきしながら楽しませてもらいました。


新章にまた期待してます。


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余談…


この『HUNTER×HUNTER』キメラ=アント編の、ネテロ会長VS王メルエムの戦いを、将棋電王戦、米長さんVSボンクラーズにかけて編集している動画がありました。


これがまた恐いくらいにお互いの話がリンクしちゃっているので、作った人に天晴れです。



ちょうど米長さんも会長だしね。



人間であるネテロ会長と完璧である王メルエムとの戦いは、最善手を出し続け、ミスしたらやられるネテロ会長と、途方もない数の手の中から、癖を読み致命傷を与えようとする王メルエムとなり、まさに立場的にも戦い方も、『米長さんVSボンクラーズ』と一致しちゃってます。



動画は、さらに二人の指し手の進行に合わせて、漫画のシーンや台詞を織り込む絶妙な作りになっていました。



台詞は将棋の展開に合わせて変えてあり、多分それなりに将棋もわかる人でしょう。



途中で、ほんの少し笑いを入れちゃったのがなければ、個人的には最高でしたが、それでもこの動画は凄いの一言です。



予想に反した勝負内容でしたが、これだけ色んな意味が含まれている対決だったということ。


人間は不完全だからこそ面白く魅力的なんですね。



もう1つ余談で、「HNTER×HNTER」30巻の途中に出てくる『人といふもの』という詩は、とても印象に残った人も多いようです。


※菊池正央 著 「人といふもの」~民明書房より一部抜粋

なんて書いてあったので

「民明書房に気付かず図書館で聞くとこだった(汗)」

「この本を買おうと決めたら作中の作品だった」



とかブログに書いてる人いましたね。


俺も、この菊池正央って人、他にどんな詩を書くのかな?と思ってしまったよ。

キメラ=アント編の内容とバックの絵の効果もあり、さらに印象が増した不思議な詩でした。



『人といふもの』

さあ 乾杯しやう
乾杯しやうじゃないか
人といふものどもに

善人も悪人も
いつの世も人はくり返す

膿むには余りに長く
学ぶには余りに短い
時の螺旋状

だからこそよく欲し
よく発するのだらう?

命など

陽と地と詩とで
満たされるほどのものなのに