首位争いの行方を左右する阪神との3連戦。その初戦を4―1で落とし、巨人は今季の阪神戦で7勝14敗。ついに負け越しは7つとなり、このカードは5連敗に伸びた。


数字だけを見ても厳しい。しかも相手は、優勝争いを直接競う阪神だ。ここまで対戦を重ねながら、巨人が「阪神をどう攻略するのか」という具体的な姿が見えにくいことは、単なる相性の問題として片付けられない。


象徴的だったのが28日の甲子園だ。


阪神先発の村上に対し、巨人打線は5回2死まで走者を一人も出せなかった。村上とは今季6度目の対戦。直近3試合でも完封、完封、8回1失点と抑え込まれ、26イニングでわずか1得点しか奪えていなかった。


これだけ同じ投手に苦しめられている以上、攻略の難しさそのものは理解できる。

ただ、天王山という重要な一戦で、またしても同じように抑え込まれた事実は重い。


橋上監督代行は「そう簡単に打てる投手ではない」としたうえで、序盤に失点したことで細かい作戦を使う展開にならず、効果的な攻撃を仕掛けられなかったと振り返っている。


もちろん、先に点を許せば攻撃の選択肢が狭まる。

村上の投球を考えれば、なおさら先制点の意味は大きい。

しかし、ここで気になるのは、村上に対する過去の対戦結果まで含めて考えたとき、巨人がどのような攻略策を準備していたのかが資料からは見えてこないことだ。


一方で、投手起用には明確な動きがあった。


先発ハワードは初回に近本の先頭打者本塁打を浴び、3回64球3失点で降板。

橋上監督代行は、この3連戦の意味合いとハワードの状態を踏まえ、普段とは違う継投に踏み切ったと説明している。

4回から西舘を投入する早めの継投は、天王山を落とさないという意思の表れとも受け取れる。


ただ、ベンチが早く動いた一方で、打線は最後まで村上を攻略できなかった。


ここに現在の巨人が抱える阪神戦の難しさがある。投手起用では勝負に出ても、攻撃面で相手に対する具体的な対策が結果として表れない。

しかも阪神戦では、東京ドームで2勝10敗、甲子園では5勝4敗という極端な数字も残る。敵地では互角以上に戦えているだけに、阪神というチームそのものに対して何ができて、何ができていないのかを考える必要がある。


「ロースコアの戦いなら足を絡めた攻撃もできたかもしれない」という橋上監督代行の言葉も、その難しさを物語る。先に失点し、村上を相手に打線が沈黙したことで、巨人が得意とする形に持ち込む余地そのものが失われた。


だからこそ問われるのは、阪神に対してどこまで準備しているのかという点だ。


今季7勝14敗。すでに対戦は21試合に及ぶ。これだけ戦ってもダブルスコアの負け越しとなり、さらに5連敗中。首位争いの相手に対する結果としては、明らかに看過できない数字だ。


もちろん、阪神戦の残り試合で一気に流れを変える可能性はある。29日は今季阪神戦2戦2勝の田中将大を先発に立てる。ここは巨人にとって、単に1勝を取りにいく試合ではなく、これまでの阪神戦で積み重なった苦戦を断ち切れるかを問われる一戦になる。


早めの継投に踏み切るほど、首位阪神との3連戦を重く見ていることは分かる。だからこそ、次に見たいのは「勝つために動いた」という姿勢だけではない。阪神に対して、どんな戦い方を選び、どこを変え、どう攻略しようとしているのか。その答えを、グラウンド上で示す必要がある。


阪神との対戦成績は、もう偶然では説明しにくいところまで来ている。首位争いを続けるなら、阪神戦で何を変えるのか。

巨人にとって、そこが今後の戦いを左右する大きなテーマになる。