8月に入って公私共に忙しく、ようやく10日から夏期休暇。所用の帰りに久しぶりに父のいる特養に行った。今回は私だけである。
今もフェイスシールド着用の面会は世情を鑑みても当たり前で、父の元に行くと「?」という顔をされる。
着いたのは15時半過ぎで、スタッフさんは夕飯の準備や引き続きをしていたようだ。
父の移動は車椅子を足で押すのも同じ。歩いている利用者さんはいない。肌が弱いので夏でも長袖を着ているから、陽当たりの良いところでは暑かったのか、顔が赤かった。TVのオリンピックには全く興味はないらしい。

・◯◯(父の甥に当たる。他県在住)が髪を切ってくれた。
・ここで食事をしてから家に帰って夕飯を食べる。
バグは修正しない主義なので相槌を打ちながらふと、聞いてみた。
「私の旦那さんは今日、来てないんだけど名前、覚えてる?」
「うーん、何だっけ?」
「むつさんって言うの」
「そうか」
スタッフさんに「わたしの娘です」と紹介していたが、名前はどうなのか…と聞くのは双方に残酷なのでやめた。

スタッフさんから近況をお伝えしたいと帰り際に声をかけられた。そこが父の癇に障ったようなので、「エレベーターホールまで分からなくなったから教えて貰いながら帰るね」と伝えた、スイッチの入りどころが口元に出るのが父の特徴である。

・扉を開け閉めするので枠をテープで貼っている。開けそうになったら止めている。
・隣室を覗くことがある。
・収集癖がある。
・スイッチが入ると怒鳴る。
在宅時に良く見られた行動が再燃している。デイサービスでの父の様子は、本人曰く「人の車椅子を押したりする」だったが、特養ではその必要がない。
覗くことについては老いても男女はあるわけで、気づいた時にすぐに対応してくれる。
収集癖に関しては認知症特有のことで、現在は提携医療機関が投薬等に関わって下さっている。
例えば問題行動があったとして、認知症関連の薬を増やして1ヶ月で良くなることがある?私は良くなるのではなく、少しくもりが取れるだけだと捉えている。
これは母のことで痛感したことだが、施設の違いなのか?こちらの施設が寛容に感じるのは。

父からは母のことを尋ねる言葉はなかった。そこが悲しいかな救いではあったが、表情が乏しくなったなと、撮影した画像を振り返って見ていた。