飲みに行って彼女はおおはしゃぎして店から出ていきなり電柱で吐いた。

フラフラになりながら「おんぶぅ~おんぶぅ~」とせがむ。

仕方がないので俺は彼女をおぶった。

格好悪いなぁ。

彼女の香水の香りと酒の匂いで俺まで吐きそうになってきた。

俺は彼女の鞄を首からぶら下げて歩く。

木屋町通り。

 

「おい、これからどこ行くねん!ええなぁ~」

 

「そんな女、高瀬川に放り込んでやれ!」

 道行く酔っ払いの罵声を無視しながら彼女をおぶって歩き続ける。

 

 「もっと早く歩け~」

 「ゴーゴー」

 俺の耳元で、全くうるせー女だなぁ~

 黙って寝てろ!

 腰が痛い・・こんな事に腰を使いたくはなかった。

 「でもまた飲みに行こうな・・・」

 彼女に聞こえたかどうかは今となってはわからない。

 

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この彼女は皆に迷惑を掛けっぱなしの女だったが何か面白かった。

仲間内は全員、彼女とのエピソードの一つや二つは持っていた。

俺とのエピソードはこんな感じだった。

 

この彼女が死んだらしい。

お前死んじゃったのか?

起きろ!