駅にもだいぶ人が戻ってきた

それぞれの人生を抱えた人たちが行き交っている

 

そんな中でひときわ目立つ二人連れの女性がいる

化粧もばっちり決めて背も高く颯爽と歩いている

一人は木村沙織みたいな感じだ

 

改札口で切符を突っ込む

子供料金を示すランプとチャイムが鳴る

「すいません、子供料金ですよ」駅員が呼び止める

 

「小学生です!」

足を止めることなく颯爽と改札を通り抜けてゆく

 

「ちなみに私は中年です」

俺も足を止めることなくトボトボと改札を通り抜ける

俺を呼び止める者は誰もいない