チビタさん 10 | ミータの愛猫物語(連載)

ミータの愛猫物語(連載)

愛するにゃんこ達との悲喜こもごもを綴ります。

夫は返事をしなかった。

 翌朝ひと足早く階下に降りた夫の、大きな声が聞こえた。

「チビちゃんが死んでる!」

予期していたことではあった。

 チビは猫ベッドの中で、両手足をまっすぐに伸ばして横になっていた。

体は固くなっていたので、あれから早いうちに死んだのかもしれない。

苦しんだのかもしれない。痩せて軽くなったチビをフリースでくるんだ。

 猫も人間もどうして苦しんで死ななきゃいけないんだろう。

チビタさんは何にも悪いことしてないのにね。助けてやれなくてごめんよ。

 いつも無力を感じる。現実を受け入れることしかできない。

 まだいる6匹の猫たちに、また同じような思いをしなければならない。

それを考えると辛すぎる。

 以前、母が

「動物を飼うのは死ぬからいや」

と言っていた。その頃はまだ猫を飼っていなかったのでわからなかった。

「動物だって人間だって、みんな死ぬじゃん」

「いや、動物の寿命は人間より短いから死ぬのよ」

なるほど、今はよくわかる。動物を飼っていて、一番つらいのはその死

に付き合わないといけないこと。それも苦しんで死ぬのを見ながら、

何もしてやれないことに打ちのめされる